クリスマス事情、その後
何故だ。
何故なんだ。
いや、終わったことだ。
もう気にするのは止めよう。
そうだ、あれは何か意味があったことだったんだと、思おう。
そうしよう!
・・・・・・・って―――――
思えるか〜〜〜〜〜!!!
「それにしても、見事に雪降ったね〜。ホワイトクリスマスだね〜。最後のプレゼント、持ち主がなかなか見つからなくてちょっと焦ったけど、無事夜明けまでに配れたし、よかったよかった♪雪が降ったせいで、感覚が鈍ったのかな?でも、綺麗だったから許しちゃうv」
俺は許せねぇよ。なんで、残り一個ってときに雪が降るんだよ!配り終わるまで待てよ!俺に、なんか恨みでもあんのか!?
「まぁた、この人は、変なこと思ってるよ。たまたま残り一個、ってときに降っただけでしょう?そういうタイミングが悪いときだってあるわよ。それに、あなたにとってはタイミング悪くても、どっか別の人にとっては、タイミング良いときだったのかもしれないでしょ?」
「うっ、なんか、丸め込まれてるような。ってか、やっぱり俺の心の中読まれてる!?」
「やばっ」
「やばって!?やっぱり読めてるのか!?そうなんだな!?」
「あははは、冗談よ。じょーだん♪ただのトナカイにそんな能力ないわよ」
ただのトナカイでもないけどな。
「さっ、いつまでもダラダラしてないで。早く本部に報告しに行くわよ!サンタの仕事は、報告して帰って来るまでが仕事なんだから」
小学生の遠足じゃあるまいし。
「あら、遠足を馬鹿にしちゃ駄目よ?そういうところから、社会性が身に付いていくのだから」
なんでトナカイに説教されなきゃならないんだ。
「トナカイはサンタクロースの保護者みたいなものだから、サンタクロースが悪い道に進まないように、しっかりと教育する義務が」
「ねぇよ!全国のサンタクロース何歳だと思ってるんだよ。全員成人した大人だろ!?第一、普通逆じゃね?サンタクロースがトナカイの飼い主なんだから、サンタクロースの方が保護者」
「成人した大人だろうが、教育というのは何歳であっても必要なものなのよ。それに、私達は普通のトナカイとは違うんだから、飼い主という言い方は不愉快だわ。相棒とかパートナーって言ってくれなきゃ」
先に保護者とか言ったのは誰だよ。しかも、
「あまりの自然さにスルーしてたけど、遠足のあたり俺喋ってないのに会話成り立ってるよな!?おかしくね!?ありえねぇだろ!?」
「まったく、いい加減慣れなさいよ。その類のツッコミ何回目だと思ってるの?そろそろ飽きるわよ」
飽きるとかいう問題なのか?
「私達は以心伝心できるほど、お互いのことが解ってる良いパートナーってことよ!はい、これで満足?」
また、丸め込まれてるような・・・。
「そろそろ行くわよ。あんまり遅いと、本部の人たちに迷惑でしょう」
「あ〜、もうわかった!行くよ。さっさと、終わらせて普通の生活に戻るぞ」
「じゃ、ちょっととばすからしっかり掴まっててね♪」
俺、来年もこいつとサンタの仕事やってるのかな・・・。
「もちろん♪」
「だから、普通に俺の心の声と会話するなっ!!」
☆END☆
二日にわたりクリスマス小説書きました。
本部というのは、クリスマス関連のことを取り仕切っている場所で、サンタクロースとトナカイはここで出会ってパートナーになります。プレゼントとかもここで作られます。サンタクロースはその国々の前サンタクロースの推薦で決まります。だから、もうサンタの仕事が出来ないなと感じたら、新しいサンタ役に相応しいと思う人を見つけてバトンタッチするんです。
まぁ、このあたりのことはそのうち機会があれば書いてみたいなと思います(^^)