魔族との対峙
村の少年ジャックは、師匠アルベルトの下を離れ、大都への旅路を行く。王都で行われる試験を受け、魔法学園に入るのだ。
ジャックはいつもの森を出て、さらに奥深くへと進んでいく。頼りになるのはコンパスだけだ。
ジャックは森の中、獣道を進んでいた。
ジャック 「ずいぶん遠くまで来たけど、方向は正しいはず。」
ジャックは方角を確認していたが、すぐに道具をしまった。
何か来る。
それは音も立てずに現れた。
放たれた異質な空気は、相手が只者ではないということを伝えている。
ジャックの目の前に、人の形をした者が現れた。しかし、人ではない、魔族だ。
魔族 「まさか、こんなところで人間と会うとはな。」
ジャック 「…」
魔族は挨拶がわりに一言言うと、一呼吸して、次の瞬間にはジャックの目の前まで踏み込んでいた。
魔族の手は先ほどと違い大きな爪を持ったものに変わっていた。
ジャックはそれを魔法で咄嗟に防ぎ、反撃を打った。
「ファイアボール。」
すると、魔族は10mほど吹き飛ばされ、木に叩きつけられた。
すぐに起き上がったが、まるでありえない光景を見たかのような顔をしている。
魔族 「貴様、何者だ。」
この魔族は、ジャックに反撃されるとは予想だにしなかったようだ。
ジャック 「俺は通りすがりだ。悪いが、お前を見逃すつもりはない。」
ジャックは初めて魔族と対峙するが、この分なら勝てると確信した。
一方、魔族の方もジャックをものともしないようで、ニヤリと笑うと、伸びをした。そして、またジャックの方に体を向けると、こう言った。
「まさか、人間相手にここまでイラつくとは、思わなかったなッ!」
先ほどよりもずっと速い踏み込み。
ジャックはそれをかわすが、反撃の余裕はない。
魔族の連撃がジャックを圧倒している。
魔族 「口先だけか?小僧ッ!」
ジャック 「クッ」
しかし、魔族の呼吸が乱れた瞬間を、ジャックは見逃さなかった。
再び、強烈な魔法が魔族へと放たれた。
吹っ飛んだ魔族を拘束魔法で拘束し、魔法で強化した腕で殴りつける。
魔族 「ぐっ、」
ジャックは攻撃を辞めない、、。
魔族 「ぐっ」
魔族 「ぐっ」
ついに、魔族は意識を失った。
そして、チリとなって消えていった。
「こんな…はずじゃ…。」
チリとなって消える際、魔族は最後に何か言い放ったようだったが、ジャックは聞きもしなかった。
ジャックは魔族の遺品を魔法で全て破壊した。
「師匠の教えだからな。出どころのわからないやつの遺品は触ってはいけない。」
ジャックは伸びをし、獣道を進んでいく。
魔族の目的は何だったのか、この先の世界のことも、誰も知らない。




