8日目
今日も今日とてそらから君はお人形遊びの真っ最中。
一番お気に入りの白い犬のぬいぐるみワンワン王子片手に戦いごっこの真っ最中。
本日のお題は、絶体絶命ワンワン王国。
攻めてきたドラゴンたちに囲まれて絶体絶命のワンワン王子と仲間たち。
ドラゴン VS 犬
最初から勝ち目なさそうとか言っちゃ駄目。
敵に腹を刺されらしいワンワン王子の従兄弟の狐将軍(狐はイヌ科だからオッケーらしいよ)がワンワン王子に訴える。
「ぐっ、殺られた!!たぶん重傷の可能性があるぞ!俺はもう駄目だ!」
殺られたのか重傷なのかどっちなの?可能性の問題なのか?
まぁ、そんだけ喋れたら重傷じゃないんじゃなさそうね!
「マジでヤバいことになったぞ!敵に囲まれた!!突撃ー!!!」
なんで突撃?ヤケクソですか?
軍師いるなら仕事しようか?
「なんてことだ!ペットのカエルが殺られた!こうなったら奥の手だ!!念力ビッグサンダーフルコンボぱんち!!!」
何でペットが参戦してるの?
奥の手あるならカエルが殺られる前に使ってやったら?
技名クソダサい。我が子のネーミングセンス壊滅。
スーパーの白いゴミ袋にワンワン王子を入れてブンブン振り回す必殺技は破壊力抜群で敵どころか味方さえも薙ぎ倒していく。
ビックでもサンダーでもフルコンボでもパンチでもないね。
今日も今日とてそらから君のお人形遊びは(心の中で)ツッコミどころ満載です!
手持ちのお人形を四方八方に飛び散らかして、ワンワン王子は一人勝利した模様。
「ふー、危ない闘いだった!俺が……勝つだけで精一杯だった……。」
ガクリと膝をつくワンワン王子。
どうやらワンワン王子の一人勝ち。
これ、勝った意味あるのかな?
「フッ、生き残ったのは……俺だけか………。」
奥の手で吹っ飛ばしてたのワンワン王子だよね?
最近のそらから君は悲劇のヒーローごっこがお気に入り。
「どうして!どうして皆死んでしまったんだ!!」
自分で倒しておいて嘆きに嘆きまくる。
決して突っ込んではいけない幼児の遊び。
面倒臭い事になるからね!
「激しいバトルだったね〜。ワンワン王子一人になっちゃったんだ寂しいね。」
「大丈夫!神殿で仲間を復活させるから!」
(おお勇者よ死んでしまったとは何事か…………的なことですか?)
そんな直ぐ復活するなら、嘆く必要なかったのでは?
決して突っ込んではいけない………以下略
「さてと〜それじゃあ復活の儀式をするかな〜!」
お仏壇からロウソクを沢山持ち出して、お人形達の周りにせっせせっせとぐるりと並べる。
「???」
画用紙には赤いクレヨンで五芒星の星マーク。
「ん?????」
割り箸を輪ゴムで十字に留めて即席十字架の出来上がり。
「んん???????」
「よーし!これで儀式の完成だ!」
「!!!!????」
圧倒的な黒ミサ感……………。
「ね、ねえ、そらから君……これ……本当に合ってる?」
「合ってるよ!この前映画で見たもん!あっ!大変お供え物忘れてた!」
羊の縫いぐるみを五芒星の上にセットオン。
お供え物というか…………完全に生贄。
「よ〜し、これで完璧だね!」
「どこが!!!????」
エロイムエッサイム…………。
完璧に悪魔召喚の儀式だよ!!
ホラー大好きパパさんの影響をモロに受けて、英才教育が嫌な形で発揮されている模様。
見たものを直ぐに吸収する幼児の恐ろしさよ。
「ねえ……ちょっとコレは怖すぎるからやめてくれない?」
「え〜!どうしてよ!」
ママが受け止めきれないからです!
そらから君のワンワン王国がゾンビだらけになる日も近いかもしれない。
終劇
主人公そらから君にそらから君の小説を書いているのがバレて拗ねられてしまった為、しばらくの間検索除外設定にしてました。
そらから君がチェックしたやつならいいよ!とのお許しが出た為再度公開します。