第1話 閻魔大王
この作品は「俺の学園生活は穏やかです?」の続編です。
楽しんで読んでください♪
「まさか閻魔大王様に呼ばれるとはな。」
「何かしでかしたか?」
俺は首を横に振る。
「.....なるほど。」
「喋れないんだな。」
(確かに....なんで喋れないんだ?)
「まぁ、此処に来たらみんなそうなる。」
「安心しろ。」
そのまま沈黙が続いた。
「......もうそろそろ着くぞ。」
「!」
「あれが黄泉の国の王宮だ。」
(凄い立派だな....)
国の中心に大きな建物があり見た目は赤い神社にかなり似ていた
(城下街もあるのか....)
「行くぞ。」
そして、城下町を歩き数分後....
「ここが王宮に繋がる門だ。」
よく見ると門番らしき鬼が2体いた。
「入るぞ。」
「ああ滅鬼か。」
「良いぞ、入れ。」
「おい、ちょっと待て。」
「.....どうかしたか?」
「人間がなぜここにいる。」
「1人、人間を入れる。」
「な!?」
「そんな事が許されると....」
「待て。」
「そいつの顔をよく見せろ。」
「好きにしろ。。」
「ううん...」
「あ!」
「兄鬼!こいつぁ!閻魔大王様に呼ばれている男ですぜ!」
「確かに報告書の特徴と一致している....」
(なんだ...?指名手配でもされてるのか?)
(俺そんな悪いことしたっけ?)
「うん?」
兄鬼と呼ばれている青い鬼が俺の様子に気づいたようだ。
「安心しろ。お前は何も悪いことはしていない。」
「それにどんな悪いことをしていても閻魔大王様に呼ばれるなんてことはないっす!」
「だから安心しろ。」
(本当なのか....?)
「別にとって食おうとしている訳じゃない。」
(.....今は信じるしかないか......)
(それと閻魔に呼ばれるのは結構レアみたいだな...)
(なんか余計に不安になってきた....)
「そろそろ行く。」
「おう!頑張って来いよ!」
俺は深々と会釈して青い鬼と黄色い鬼と別れた。
大通りをまっすぐ行ってすぐのところに黄泉の王宮はあった。
門番の鬼に話をすると
「通れ!」
といって直ぐに通ることが出来た。
(ものすごく広い。)
中央にどでかいエレベーターがありそこから上がって行く。
「もう直ぐで着く。」
チーン!
どでかいドアがあり周りには色とりどりの花が飾ってあった。
コンッコンッコンッ
「失礼します。」
「入れ。」
ギィィィ
「高島仙を連れて参りました。」
「うむ。よくやってくれた。」
「下がってくれて構わない。」
「御意。」
ギィィィ、バタン!
「さてと。」
「君が高島仙、だね?」
「......」
俺は頷いた。
「あ、そうか。」
「喋れないんだっけ。」
「悪かった。直ぐに喋れるようにしよう。」
机にある一枚の紙が閻魔の前に浮かんで来た。
閻魔は筆を持ちシャシャシャッと何かを書き足した。
「コレで喋れるはずだ。」
「手始めに何か言ってみろ。」
「あ。」
「....本当に喋れる....」
「うむ。良かった良かった。」
「それでは本題に入るぞ。」
「......」
「まず最初に何故私がお前を此処に呼んだかというと....」
「お前の能力が関係している。」
「俺の能力....?」
俺は俺の能力の事を詳しくは知らない。
何せ不明だったから。
(わからないのならわからないで良いやと割り切っていたが....)
(まさかこんな形で自分の能力についてしるとはな....)
まさか自分の能力が関係しているなど微塵も思っていなかった仙であった。