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ミッション4 「みんなの胃袋ゲット作戦」決行!

私はパーティーには参加しなかったけど、お兄様の誕生日をお祝いしてから五日。


私はあることをとっても問題視していた。


それは、とにかく本宮殿の人たちが私のことをよく思ってないってこと。


「どうしたらいいと思う?流石に手を出されるのは痛いから嫌だわ。」


「う〜ん…まさかまだナディア様を虐げていると思っておりませんでした。私たちは打ち解けましたので…。」


なんでも、ニユやケイトによるとメイドたちは本宮殿のメイドとも仲良くしているらしい。


この前も、リジーが同い年の子に誘われた〜とかで本宮殿のメイドたちと一緒に賄いを食べてきたらしいもん。


その時に、リジーはメイドたちが私の悪口を言ってるのを聞いたんだって。


「そうだ!ナディア様、ナディア様の作られたスイーツを食べてもらうのはどうですか?」


「そもそも食べてくれるかしら?」


「最初はナディア様が作ったって言わずにダリア宮のみんなで作ったって言うんです。で、そのうち実はナディア様が作ったんだよって言うのはどうですか?」


「つまり、胃袋を掴みにいけと…。」


そううまく行くかしら?


だって、そもそもで食べてもらえるかわからないでしょ?


見た目美味しそうでも、この国にはないスイーツなわけで…。



「胃袋を掴む、いいと思いますよ?ナディア様。現にケーキのおかげでルージー様とベイル様と仲良くなられたでしょう?陛下だってナディア様のお菓子を召し上がった日は機嫌が良さそうでした。」


考えていると、ニユまでもが賛成してきた。


あの冷静なニユまで賛成するってことは、効果が期待できるのかも…。


「じゃあ、とりあえず今日はこのプチロールケーキ持っていってみて?」


そう言って、一口サイズのロールケーキを袋に詰めてニユに渡した。


「かしこまりました。」


ニユはそれを持って部屋を出ていった。



「あれ、ニユじゃん。それなに?」


「これはロールケーキよ。ダリア宮のみんなで作ったの。余ったからみんなもどう?」


「ロールケーキ?初めて見るわね。」


そう言って本宮殿メイドの中でニユと一番仲のいいフェネが一口食べた。


「おいしい!いいわね、これ!手が汚れなくて。」


それを皮切りに、次々とその場にいたメイドたちはロールケーキを取っていった。


「ダリア宮のメイドたちで作ったんだよね?ダリア宮のメイドってみんなお菓子作りが好きなの?確か、厨房への自由な出入りが許されてるのってニユたちだけでしょ?」


「ナディア様がお菓子作り好きなのよ。」


「またまたぁ、あの見た目だけの庶子がこんな美味しいケーキ生み出せるほど頭いいわけないじゃん。」



みんなでロールケーキを食べていると、休憩所のドアが開いてフェネたちの上司、本宮殿外宮メイド長が現れた。


「いつまで騒いでるつもり?アルウェン様がお戻りだそうよ。部屋の準備終わってるの?」


「はい!」


「アルウェン様って?」


「カランベルの第1王子様よ。数日間外宮に泊まるんだって。」


そう言って、フェネたち外宮メイドたちは仕事に戻っていった。


私もほぼ空になったロールケーキの容器を持って、ナディア様の部屋に戻ることにした。



「本当にここ最近母上もリューナもどうしたんだろ。」


ベイルは厨房に行くため廊下を歩きながら考えていた。


母上はまだマシだけど、問題はリューナだよね。


今までずっとルージーと一緒にいたのに、最近ルージーを避けてるみたい。


原因はナディアだろうなぁっていうのは大体わかるけど、遺伝だもんしょうがないよ。



「ねえねえ知ってる?陛下が最近ほぼ毎日庶子の部屋に行ってるんですって。」


「知ってるわ!毎回何かお菓子持って出てくるんでしょ。陛下を餌付けしてるつもりなの?」


「ほんと、なんであの庶子ばっかりなんだろうね。あんなのなんの取り柄もないじゃない。王妃様にも嫌われてるし終わりよ、あの子。」


そばを通る時は流石に黙ってるけど、近づくまでは悪口を言っているメイド。


「はぁ…。君たち、その会話は業務に必要なのか?あまり俺の妹を悪く言うな。次誰かがナディアの悪口言ってるの聞いたら君らから解雇してくからね。」


「も、申し訳ございません…。」


そう言ってメイドは頭を下げて、俺が通り過ぎるのを待つ。


…これは、おそらく今王宮内で母上の影響力が強いからだろうな。


何か対策をしないと。


少なくとも母上とナディアを会わせるのは危険だ。

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