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ミッション3 お兄様の誕生日をお祝いする

「おーいナディア!今日は何作るのー?」


「今日は…えっと、ケーキを作ります。」


「詳細は?」


「いや、まだ決まってないというか…。」


そう言うと、ベイルお兄様は厨房から出ていった。


そして、ほぼ入れ替わりでルージーお姉様が厨房に入ってくる。


「ナディア、お兄様が好きな産地のチョコレート、言われた通り全部取り寄せさせて今朝届いたそうよ。」


「わぁ、ギリギリですね。」


「悪い!?」


ルージーお姉様はそのまま厨房に残り続ける。



リューナお姉様とはあまりうまくいってないんだけど、ルージーお姉様はなんだかんだ言って最初会った時に感じた敵意は無くなった。


「それより、何を作る気なの?」


「チョコレートケーキを作ります。」


「スポンジ?タルト?」


「フォンダンショコラって言って中からチョコレートが出てくるケーキを作るつもりですよ。」


「なにそれ?初めて聞いたわ。チョコレートケーキよね、名前的に。」


そりゃそうでしょうね。


案の定、ニユに聞くと「そのようなケーキはこの国にはございませんね。」って。



さて、私は今日ベイルお兄様のためにケーキを作らないといけません。


理由は、昨日お父様に「明日がベイルの誕生日だというのは知っているか?どうせなら何かケーキを作ってプレゼントしたらどうだ。」って言われたから。


ニユに相談すると、「いいですね、作って差し上げたらいかがですか?」って言われた。


まあ確かに、言い方は悪いけどお兄様を餌付けして損はないからね。


というわけで、「お兄様のお誕生日お祝い作戦」!


ルージーお姉様にベイルお兄様の好きなものを教えてもらい、その結果フォンダンショコラを作ることにした。



「まずはチョコと生クリームを混ぜるでしょ。で、混ぜたものを容器に移して冷ます。」


「それ、私がやるわ。」


「本気で言ってます?1番調節が難しいですよ。」


「…じゃあ、違うことする。私も一緒に作ったって言いたいのよ。私は何をすればいいの?」


お〜、ルージーお姉様、しかめっつらで言ってるとますますツンデレ感ある。


そうね、じゃあホイップ作ってもらおうかな。


「じゃあ、お姉様にはホイップ作りをお願いしていいですか?そこの生クリームをガーっと泡立てて欲しいです。ツノが立つくらいまでお願いします。」


「わかったわ。」


お姉様に指示を出してる横で、私はガナッシュ作り…さっきお姉様がやろうとしてた工程を進めていく。



「ナディア様、生地の工程これであってますか?」


「ええっと…チョコと無塩バターを湯煎、別ボウルで卵と砂糖を混ぜる、混ざったら湯煎したやつをちょっとずつ入れながら混ぜる、薄力粉とココアパウダーを混ぜる…。」


「昨日聞き逃していなければ合っていると思うのですが…。」


「ええ、バッチリよ!生地の方はお願いしてもいいかしら?」


「はい、お任せください!」


今日手伝ってくれるメイドはケイトとリジー。


ニユは今日忙しいんだって。


生地作りを2人に任せて、私もガナッシュを作っていく。



ふと隣を見ると、ホイップがいい感じに出来上がっていた。


「お姉様、ホイップそれくらいで大丈夫ですよ!」


「やっとね?すごく腕が疲れたわ…。」


「あはは…。」



「ナディア様、記事が出来上がりました!」


「ありがとう!じゃあ、この型に半分くらいまで入れてくれる?私がこれ入れたら残りも入れて欲しいわ。」


これで、あとは焼き上がりを待つだけだ。



数十分後。


「いい感じに焼けてるわね!」


お姉様がデコレーションをしたいと言ったので、ホイップを載せるのはお姉様にやってもらうことにした。


「これ、温かいうちに食べるケーキなの。だから、食堂にお兄様をお呼びして、そこでデコレーションしてもらってもいいですか?」


「わかったわ。確かに冷たいより温かい方が美味しそうなケーキだもの。」



というわけで、早速ルージーお姉様はそこら辺にいたメイドにベイルお兄様を呼びに行かせた。


そして、お兄様が来るまでの数分間でホイップをちょんちょんと飾っていく。


「我ながらいい感じでしょ。」


そう言ったお姉様がホイップの袋をゴミ箱に捨てた瞬間、ベイルお兄様が食堂に入ってきた。


「どうしたの?ナディアもいるじゃん。」


「その、お兄様が今日誕生日だって聞いたのでお祝いしたくて…。」


「私たち2人とそこのメイド2人でケーキを作りましたわ。フォンダンショコラと言うそうですわよ。」


「え、美味しそう!ありがとう!早速切り分けて食べようかなぁ!」



えっと、喜んでもらえたんだよね?


じゃあ誕生日お祝い作戦成功ね!

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