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序章②

ナディアが体調不良で寝込んでいることになっている時、ナディアはメイドたちと新作スイーツ作りをしていた。


ケーキ屋さんに行っても、並んでいるのはフルーツが少し乗ったショートケーキだけ。


ガトーショコラも、チーズケーキも、フルーツタルトもない。


ないどころか、使用人たちは皆「それはなんですか?」って言う。


私も食べたことはないし見たこともないけど、何故か作り方を知っていた。


だから、みんなと一緒にいつもお菓子作りをしているの。


ほんとに、とにかくお菓子の種類が少ないの!なんでなんだろ。



「ナディア様、オーブンから出した瞬間萎んでしまいました…。失敗でしょうか?」


「私はそれでいいと思うけど…。ちょっと食べてみましょ。みんな、フォーク持って〜。」


一口とって口の中に入れる。


しっとりしたガトーショコラ、想像通りに作ることができていた。


「なんだかすごく元気になる味ですね!これ、卵を分けずに作るとどうなるのでしょうか?卵黄と卵白に分けるのが大変だったじゃないですか。」


「確か、もっとずっしりしたものになったと思う…。わかんないけど。」


「ナディア様が満足されているということは成功、ということでしょうか?」


「うん、大成功!みんな、付き合ってくれてありがとう!」



早めのおやつタイムを過ごした後部屋に戻ってごろごろしていると、ドアがノックされた。


「はーい。あ、セバスチャン。どうしたの?」


ドアを開けると、そこには少し困った顔をした執事のセバスチャンが立っている。


「ナディア様、陛下がお見えです。ナディア様にお話があると…。」


「お父様が?」


セバスチャンと一緒に来客用の部屋に行くと、確かに国王であるお父様が座っていた。


「…ナディア、元気にしてたか?」


「体調に問題はありませんが…。珍しいですね、今まで一度もダリア宮に来られなかったお父様が来るなんて。」


お父様は居心地悪そうに頭をかいた。


「その、ベイルたちがナディアも本宮殿で暮らせと言い出したんだ。」


「どうしてですか?」


「…命令だ、ナディア。お前は今日から本宮殿で過ごしなさい。」


お父様は私の質問を無視そう言い、話はこれだけだとでも言いたげに席を立った。


そして、自分でドアを開けて出ていってしまう。



「…!?」


何故だいきなり…と思っていると、私の部屋がある方向が何やら騒がしくなった。


部屋に戻ってみると、知らないメイドたちがせっせと家具類を運び出している。


「ナディア様には本日より本宮殿で過ごすようにとのことです。本宮殿の家具はまだ幼いナディア様には使いにくいかもしれないため、家具ごとお引越ししていただきます。」


メイドのうち1人がそう言って部屋に入って、また更に何か運び出した。



そして、あっという間に部屋から全てのものがなくなってしまった。


「本宮殿におけるナディア様のお部屋はルージー様のお部屋の隣となっております。また、このダリア宮の使用人は全員本宮殿へ移動となります。」


メイドは淡々と言い、ぽかんとした私を残して本宮殿へと帰ってしまった。

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