第四話
第四話です。
パッカ、パッカ、パッカ、パッカ、、、
辺り一面森の中、唯一の細々とした道を、私は馬車に乗って進んでいます。
私はナータ。この先にあるヘカトン村の村娘です。
先程、近くの町へと買い物に出掛けたあと、何故かナンパされました。白と青の混じった髪のイケメンと、黒髪のイケメン二人に。
とはいえ私はそんなに安い女じゃないのです。顔だけで畑仕事ができますか?迫り来るモンスターから、家族を守ってくれますか?答えはNOです。何せイケメンには逃げたところでお相手がいるのですから。
そんなもの相手にしても無駄。どうぞ町のイケイケな女性とでも付き合っていてください。私は村の筋肉のついたいも男で十分です。
てなわけで言ったんですよ、私は。村まで私を疲れさせずに連れていけば多少のお相手はいたしますよと。
そしたらですね、シマシマな方、確か世渦さんでしたっけ?馬車出しやがったんですよ。こう、ポンと。うん、とち狂ってますよね。馬生きてますし。
ピーピピピピピ、、、パッカ、パッカ、パッカ。
「暇だ、、、」
ならこんな鳥の鳴く田舎道で馬車に寝っ転がってないで町で女漁ってれば良いんですよ。馬車出せるってだけで引っ張りだこですよ?
「暇なのは良いことだよ~?何もないって素晴らしいことなんだからね?」
こちらは流響さんでしたっけ?黒髪のイケメンの方です。私もそう思います。
「や~さぁ、流響ぅ。そんなに暇がいいならこっちこなけりゃ良かったじゃん?」
「学校だるい」
話の内容は分かりませんがどうやら一刀両断されたようです。
「あ"あ"あ"あ"あ"暇!暇なんだよ!俺達は何しにここへ来た?そう、女を漁りにだよ!こんな田舎をのんびりするためじゃねぇ!!!!」
「じゃあこの子諦めてさっさと他の子落としにいけば良かったんだよ。てゆうか一緒にしないでくれる?僕別にナンパ目的じゃないからね?」
すごい。私の中で流響さんの好感度がどんどん上がっていく。比例して下がる世渦さんの好感度。
「うるせぇ!俺は一回落とすって決めた女は本気で落とすんだよ!その上で他の女に行く」
「相変わらずのグズだね」
本当です。いつか刺されますよ?
ガサッその時、道の先の木々が揺れる音がしました。
そして、、右側から、熊が出て来ました。グラップラーベアーです。
ヤバい。Bランク冒険者でも手を焼く魔物なのに!
あ、ああああ!まずい!目があった!!ころ、、、ん?何か焦ってる?
その瞬間、グラップラーベアーがもっとでかい何かに食べられました。見上げる程の蜘蛛。
ナ ニ ア レ ?
もしかして森の主?ヤバいヤバいヤバいヤバい。あんなのに目をつけられたらころ、、、
「ウワッでっかい蜘蛛じゃん!女性って蜘蛛苦手なんだよなぁ。あ、ナータちゃん目をつむって」
いつの間にか起きていた世渦さんに目を腕で塞がれました。
「よっと」
軽い掛け声と共にパンッと何かが弾けるような音がしました。
「ほい、もう良いよー」
目を開けると、何もないいつもの道と、右側に異様に薙ぎ倒された木々が広がっていました。
「いやぁ怖かっただろ?蜘蛛ってデカイとあんなにキモいんだな。俺鳥肌たったわ」
「そりゃそうでしょ。虫全般は気持ち悪いからね。まあ、中には物好きもいるけど。」
二人は暢気に会話を続けています。おかしいのは私でしょうか?
「あ、暇だししりとりしよーよ」
「良いぜ?じゃあ、蜘蛛」
「森~」
「陸上競技部」
「ブラスバンド部~」
、、、どうやら私、ものすごい拾い物をしたようです。
ちょっとずつですがコツコツ投稿していきたいです。
シマシマな方の名前は天統 世渦
黒髪の方の名前は相場 流響
です。