第二話
二話目
教室の中を見た瞬間、先生は全速力で消えていっちゃった。んまあ、良いんだけどもね?あの先生疲れていらっしゃるんだろうし。
「あ、あはは。先生行っちゃったね。満愉、この後どうする?」
お友達の浮乃睡ちゃんが苦笑いしている。先生、最初の頃とイメージ変わっちゃったしねぇ。最初はもっとこう、やるぞー!って感じがした。
「とりあえずは、三条西先生か、天変先生に相談してくるよ。いつも通り、ね」
私は薄く笑みを浮かべ、席をたつ。
異世界にクラスメイトが行くなんて、もう何度もあったことだし、もうなれちゃった。
5、6回?もっとかな?いずれにせよ、お土産が楽しみだ。
ルンルンと、足取り軽く、私は隣のクラスへ急いだ。今回は三条西先生にしよう。
私は扉をすり抜けると、ごく自然な足取りで、先生の立つ教壇まで行く。
紅いツインテールを揺らし、先生の耳元に、息を吹き掛けながらそっと言う。
「せーんせっ。まぁたうちのクラスから、何人か旅行に行っちゃいまして、、、この後授業どうすれば良いですかぁ?」
「庵離か、、、あんまり先生をおちょくるようなことはするな。イラつく。それと、多田先生は、、、帰ったか。それなら生物は自習でもしてろ。生物以外はいつも通り他の先生が授業するから、良い。旅行に行った奴らは、、、その程度でついていけなくなるバカじゃない。まぁ大丈夫だろ。いつも通りで良い」
「は~い」
返事をした後、浮いた体を地面に下ろし、教室を出ようとする。しかし、三条西先生に呼び止められた。
「ああ、内裏、次さっきみたいなことをしたら、お前の姉にチクるからな?」
私は流れるように土下座する。
「先程は誠に申し訳ございませんでした。三条西先生に多大なるご迷惑をおかけしたことを~」
「あーうん、もう良いから止まれ。んで、なんでその態度を普段からしてくれないのかね?他の女教師にはちゃんとした態度をとってるんだろ?」
え?そんなの
「つまらないじゃないですか。同性弄ったって。」
「ごく当然のように言うんじゃねえよ。まあ良い。うちのクラスまだホームルーム中なんだ。帰った帰った。」
心底嫌そうに三条西先生はしっしっと手を振る。相変わらずひどい先生だなぁ。私はそのままクラスへ戻り、1時限目まで残ったクラスメイトと時間を潰した。
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