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学園物語~2-D~  作者: 芝ッフル
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第一話

新連載。とりあえず三十話は書きます。

 やたらとこぎれいな廊下を私は右へ左へとふらふらしながら歩く。


 ボサボサで白髪交じりの髪、万年着られたかのようによれよれなスーツ、年齢にそぐわない荒れた肌、死んだ魚を缶詰にして腐らせたような目。

 その全てを当てはめたのが私、多田唯華だ。


 疲れているのだろう。思考が定まらない。

 やはり、昨日までの疲れが抜けていないのかな?

 いや、昨日どころじゃない。一昨日も、3日前の疲れだって抜けていない。

 私は、去年迄は年齢どうりの若く、来年、新任となるクラスに思いを馳せるただの大学生だったはずだ。

 教師になれたのは嬉しい。長年の夢だったから。


 でも、なんで、いきなり担任なんかにするのかな?

 このクラスは私みたいな新任に押し付けるようなクラスじゃないんだ。副担逃げたし。


 ああ、今日もまたあの生徒達と1日を過ごすのかと、軽く絶望しながらも、私は2-Dと書かれた教室のドアを開けた。

 すると、教室内の人数がいつもより少ないのだ。1,2人なら分かる。休みかな?と思うだけ。

 しかし、ざっと10人近くいない。私はこの現象を知っている。


 そう、これはーーーーーー


「あのー。先生」


「ヒャッハー!!!臨時休暇だぁぁぁぁぁ!!!!!」


 私は号泣しながら教室を飛び出した。

 生徒の庵離さんが何か言いいけていたが知ったこっちゃない。

 私は、一刻も早く休暇を楽しみたかった。


 新任なのだから、一年目から任される担任に違和感を覚え、全力で拒否しておけば良かったのだ。


 何が良い子達だ。根が良い子でも、いくら気が利く子達でも、その行動理念がおかしいんじゃ意味がない。

 何が事件をおこさないだ。学校の校舎半壊させてたじゃないか。大乱闘起こしてたじゃないか。

 あれは事件を起こさないとは言わない。ただ、隠蔽工作が上手いだけだ。

 いくら何事もなかったかのように元通りに戻せるからといって、それを許していたらきりがないんだ。元通りになっても、やらかしたことに変わりはないんだ。


 私は、高鳴る思いを胸に、家へと車を走らせる。交通違反なんぞ知ったこっちゃない。私はベッドでぐっすりと寝たいのだから。


 家へと着いた。私は車を飛び降り、玄関を蹴破り、ベッドへ急ぐ。


 あんな生徒達を相手させられて、疲れない訳がない。

 だから、だからこういう時ぐらい休ませてくれだって良いじゃない。どうせ異世界行ってて10日位は帰ってこないんだから。


 私は、もう何度目かも分からない異世界に飛ばされた生徒達が、なるべく遅く帰ってくることを祈りながら、家のベッドにダイブした。

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