キミ色
其れが紛い物であろうと本物であろうと
問題ではない
名を付ける程にも、些末な理由はなく
その名を使うこともないのだから
わたしさえ覚えていればいいだけのもの
音も
色も
温度も
それが全てだったなんて大袈裟なものでは決してないけれど
それでもわたしの、きっとわたしと言う小さな世界においては全てだったかもしれない
暖かさも
鮮やかさも
眩しさも
私には無いものを与えてくれた
何も無いからっぽが
満たされていった
例えそれが僅かな間としても
それはきっとずっと忘れない
わたしを染めてくれた
キミの色を
わたしは忘れない