神魔法
レオーネは本を開いて読み聞かせた。
「〜神魔法〜
それは神と同様の力があるもの。
それは代々受け継がれるもの。
以上です。」
「以上!?」
相当驚いた。どう理解しろと。理解に苦しむ。
レオーネは少し笑って言った。
「うふふ…。そんなに驚かないでください。冗談ですよ。きちんと私が説明させていただきますわ。」
「はぁびっくりした…。もう。」
少し笑っていた顔が真剣な顔に変わり話し始める。
「神魔法とはその名の通り神の魔法です。この国で代々受け継がれるているものです。神魔法は神と同様の力を持ち未来に訪れるこの国への災いを神魔法の使い手が助けてくれるだろうと昔から言い伝えられているのです。神魔法を受け継ぐとまずこの国の王となることが義務付けられています。歴代の王達は全員神魔法の使い手でした。ですが今の王は…。」
息詰まっている。何か話ずらかったのか…。
「いないのです。」
「え…!?ということは神魔法の使い手が今この国にいないということ…ですか…?」
レオーネは顔を縦に降った。ゆりは相当衝撃を受けた。
息を飲んでまたレオーネが話し始める。
「そういう事です。実は…神魔法の使い手はこの国ではない…それもこの世界ではないところにいるとご主人様からお聞き致しました。」
「この国ではなくこの世界ではない…。まさか…。」
地球…。
「あの…お客様…?何か思い当たることでも…?」
「あっ。いいいえ!とと特にはないいですよぉ!!」
目を違う方向に向けて言った。
ゆりは嘘が本当に下手だ。
「な、ならいいのですが…。」
(え!?!?ごまかせた!?!?)
「とにかく説明に戻りますね。今、王がいないこの国は神魔法の元使い手の方がまとめてくださったおります。神魔法の使い手がどこに言ってしまったのか…。この国の大きな問題なのです。そして…」
話していると急に大きな声が聞こえてきた。
「レオーネ!!来てくれないかー?」
「承知致しました。」
そうレオーネ返事をした後がスタスタとドアに向かって歩いていく。
「私は少しご主人様のところへ行ってきますね。お客様…。そうだ!庭へ散歩に行ってみてはどうでしょう?私からご主人様へ連絡しておくので行ってきてくださいまし。それでは。」
ドアがバタッと閉まった。
「庭に散歩…か…。行ってみようかな…!」
部屋を出てすぐ近くにあった玄関から外へ出た。
「うわぁ…!」
1面中草や木、花が植えられていてとても広い庭だった。普通の家が100個は入りそうだ。
「んーー!!気持ちぃ!!!!寝っ転がっちゃおっ!」
草の上に寝っ転がった。澄んだ青空にあたたかい草達。それにそよ風が吹いてとても気持ちいい。日本の春のような気候だった。
「もしかして…君が…。」
「え…!?」
どこからか声がした。起き上がって周りを見渡しても何もいない。身に危険を感じた。
「誰!?いるなら出てきなさい!!」
「うん。いるよぉ〜!ほら!後ろに!」
今度は後ろから声がした。言われた通り後ろを見てみると…。キツネが浮かんでいた。
「ええええ!?キツネが…!?うか…えええ!?」
でも異世界ならありえるかと思い受け入れた。
「もう!失礼しちゃうなぁ!僕はキツネじゃないんだよなぁ。僕は見ての通り精霊だよ?」
「せい…れい…?てか、キツネじゃないならあなた何よ?」
「僕はキツネじゃなくて猫の見た目をしたこの世界で1番強い精霊なのぉ!」
「1番強いって…自分で言うのね…。」
呆れた。精霊が自分で認めてることに呆れた。
「ふふん!僕の名前はルーチェ!代々神魔法の使い手に仕える精霊さんでぇ〜す!」
「神魔法の使い手に仕える精霊って…。私、神魔法の使い手じゃないのよ?何でここに…?」
「君がタイプだから神魔法の使い手ちゃんが見つかるまで君に仕えようと思ってね〜!」
「何それ?ぷっ…あははは!!」
「何だよぉ?急に笑い始めちゃって?え?もしかして君、壊れた?」
「ふふっ…。てか普通に失礼なことストレートに言うじゃない!!それに私は君じゃないわ。はし…アムールよ!」
「言わなくても知ってるよ。橋峰ゆりちゃん?」
「え…!?何で…?」