終章
大切にしていた双子の妹に裏切られ、愛する人にも思いが届かずに失意の中儚くこの世を去った令嬢は、優しい精霊たちの思いから、第二の人生を得た。
次の人生では、前世では与えられなかった優しい家族の愛で溢れた幸せな生活を送っていた。
そんな中、運命の人と出会った少女は、それを運命とは気が付かずにいた。
すれ違い、一度はその手を離れてしまった「恋」は、やがて「愛」へと形を変えていった。
運命は、前世で愛した人をもう一度違う自分が愛するというものだったのだ。
少女は、恋を知り、愛を知って、初めて前世の自分を受け入れ一つとなったのだ。
そんな少女は、愛する人と結ばれて、幸せとなった。
与える愛、与えられる愛。
花に水を与えるかのように、お互いに愛を注ぎ合い、お互いを大切にし合ったのだ。
幸せを分かち合う、伴侶との生活で少女は美しい大人の女性として花開いていったのだ。
周囲も羨むほどの、比翼連理の鳥となった二人を見た者はこう言ったそうだ。
「いつか、自分にもあんな運命の人が現れるといいな……」
そしていつしか二人には、新しい家族が増えていき、愛に溢れた家族はアメジシスト王国で一番幸せな家族だと言わんばかりに国中に知られていったのだった。
『妹に全てを奪われた令嬢は第二の人生を満喫することにしました。』 おわり
本編完結です。次回から、IFと後日談の掲載となります。引き続きよろしくおねがいしますm(_ _)m




