第4話 アンチヘテロジニアスシールド
どうも皆さん、かいです!
友達にアドバイスをもらって1行ずつ空けるようにしました!
少しでも見やすくなれたらなと思います!
それでは第4話…お楽しみください!
時間は少し戻り場所は「BHF」総本部…回収した《メガトンヘイト》のガントレットパーツを保管室にしまい終え休憩していたところにジリジリジリとうるさい音が聞こえ、バステルの動向や出現を監視している警戒班が報告した。
「緊急!緊急!小型バステルが30体出現、この学園に向かっています!」
「レーニヴァルト先生は所長から指示を聞いてきてくれ!」
レーニヴァルト先生は高速移動系スキルを持っていることで伝令等の役割を担っている
「あなたはどうするのですか?エリウィン先生…いやエリウィン副長」
「ん?私か?私は副長としての役目をこなすだけだ」
「ではエリウィン副長、応接室にいる彼女らはどうするのですか?」
「あぁ…セレスニットとシャドウか…エフト先生に対応させよう。人の死体なんて初
めて見ただろうから精神のケアって意味でも適任だろう」
「了解しました。エフト先生にそのように伝えおきます。」
指示を受けアクトたちの生物の授業の担当のウレリック先生は早速エフト先生のところへ向かった。
そのころ応接室にて
「何がどうなっているのよ…学園に着いたと思ったら応接室に通されて少し休んでろと言われてからなんだかんだで3時間くらいは待たされているわよ?」
「確かにいつまで待つんだろうね?ここにはお茶やお菓子があるからまだよかったけ
ど…」
2人…セレスとシャドウは事態の急変化に最初こそ混乱していたが3時間も経てば落ち着くというもの。まだセレスは若干混乱しているようだが…とそのとき応接室のドアを叩く音が聞こえた。
「失礼するわよ」
聞くだけで心が落ち着くような声でエフト先生が入ってきた
「あ、エフト先生。どうしたんですか?」
「え…誰…?」
シャドウの反応から顔見知りであることを察したがセレス自身は知らない人なので思わずそんな声が出た。
「あぁ…セレスニットさんとお会いするのは初めてだったわね。」
「あ、そっか!それじゃあ紹介するよ!こちらがエフト先生で医務室の先生でカウン
セリングの先生でもあるんだ!」
ただエフト先生の紹介をするだけなのになぜかすごくテンションが高いシャドウ君。そんなに自分の出番が欲しかったのか…
「エフト先生!こちらが最近転入してきたセレスニット・ユーニカヘッドさんです!セレスさんの使うスキルは回復系なのでエフト先生と同系統のはずです。」
「改めてよろしくね、セレスニットさん」
「こちらこそよろしくお願いします。それとセレスで大丈夫です。」
そして2人は女性同士だからなのかだんだんと話が盛り上がっていき…
「あぁ…こうしてまた僕の存在は忘れられていくんだね…」
先程までのハイテンションが嘘のように静かに…部屋の隅で涙を流すシャドウの姿がそこにはあった。
そして少し時間は過ぎ場所はBHF総本部に戻る
「エリウィン副長!ただいま戻りました!」
「ユーフェイ所長からの指示は?」
総本部で指示を受け医務室にいるユーフェイ所長から指示を聞き、帰ってきたレーニヴァルト先生のかかった時間は1分以内であり総本部から医務室まで片道でも10分前後かかることを考えたらさすが高速移動系のスキル持ちなだけである。
「はい、迎撃システム3番を使いバステルを迎撃せよとのことです。」
「分かった…総員に告げる!!迎撃システム3番を使用しバステルを殲滅せよ!!」
「「「「了解!!」」」」
所長からの指示を聞きBHFの職員たちに指示を飛ばした。
その指示に職員たちは声を揃えて返事した。
学園にはアンチヘテロジニアスシールドというものがありバステルは学園に入ることができない。
そして基本的には迎撃システム1番を展開している。迎撃システム1番の性質は「拒絶」でありバステルの侵入を「拒絶」している。
だがアンチヘテロジニアスシールドも万能ではない。大量のバステルに一斉に攻撃された場合多少は耐えるもののすぐに破られてしまい再生には30分ほどかかる。
故に接近を確認した場合は基本的には殲滅しなければならない。
そして今回使う迎撃システム3番に性質は「銃撃」であり連射に特化したモードだ。アンチヘテロジニアスシールドの一部をマシンガンのような物に変質させ、銃撃を行うのだ。
一発一発の威力はそこまで高くないが小型バステルレベルなら3発くらいで殺すことができる。
バステルの襲撃自体はユーステリア学園においてあまり珍しいことではないが毎回BHF内だけで事態が解決してしまうのとアンチヘテロジニアスシールドは普通見えず攻撃も無音なためにバステルの襲撃を知ったアクトは大いに慌てたのだ。
そんなこんなでBHF職員以外誰にも気が付かれることなくバステルの殲滅が終了した。
「よし…殲滅は完了したな。迎撃システム4番を使用せよ」
「「「「了解!!」」」」
副長の命令に声を揃え返事をしたが先程よりも覇気が無いように感じられた。
(まぁ仕方ないか…迎撃システム4番を使うんだからな…)
迎撃システム4番の性質は「捕食」…アンチヘテロジニアスシールドの一部を切り離し変質させ対象を捕食するというものだ。
迎撃システム4番は非常に強力だがシールドの一部を切り離すために穴が開いてしまう…故に使用するのは負けるかどうかの瀬戸際のときの切り札としてと、もう一つある。
今回使用した理由はそのもう一つの方だ。
「うっ…!」
大モニターで映し出されていた外の様子を見て吐き気を催した職員がいた。それも複数名…主に女性職員だが一部の男性職員も含まれていた。
その原因は迎撃システム4番の使用により生み出された物…「バステル」の姿をした何か(BHF内では「バステラルク」と呼ばれている)が先程殲滅した小型バステルを「捕食」しているのである。
知らない人が見たらバステル同士の共喰いにしか見えないのだが知っていたら知っていたで自分たちはこんな恐ろしいものを生み出すものに守られているのかと考えてしまいよくて気絶、最悪の場合あまりの恐怖と衝撃などのせいで植物状態に陥ってしまう可能性まである。
BFH職員はその光景を見てもなんとか活動できるレベルにはメンタルの強さを持っているがやはり自分たちを守っているものが得体の知れない何かに変わるところは何度見ても耐え難いことものである。
しかしその惨状を見ても平然としていられる者はいなくはない…だがいるにはいるのだ。それは…学園長 ユーフェイ先生、BHF副長 エリウィン 現状ではその2人だけである。
「どうかね?バステル捕食処理は終わったかね?」
あと少しで「バステラルク」が捕食を終えるというタイミングでユーフェイ所長がBHF総本部に帰ってきた。
「所長!はい、もう少しで「バステラルク」がバステルの捕食を終えアンチヘテロジニアスシールドに戻るところです。」
「えっと…あの…バステラルク?ってなんですか?それにアンチなんたらって…」
そう困惑気味にユーフェイ所長の陰から出てきたのはアクトだった。
「アクト君!?所長、これはどういうことですか!」
「あぁ、そのことも含めてBHF職員全員に伝えることがある!」
所長の呼びかけにBHF職員達は注目し、アクトはまたユーフェイ学園長(アクトの中では未だに学園長という認識が抜けきっていない)の陰に戻ってしまった。
「諸君、聞け!今回ここBHF総本部にとある子を連れてきた!ではアクト君自己紹介を頼む。」
「はい、1年4組のアクトです。恐らく全員知っているとは思いますが今回発生したエザールの出現に居合わせた者です!」
アクトが自己紹介をしたがエザールの出現に居合わせた者は他にもいるため、なぜアクトだけなのか…ほとんどの職員が疑問の眼差しを所長に向けていた。
「なぜアクト君だけなのか。そう疑問に思っている者も多いであろう…ではもったいぶらずに言うとしよう、幻の伝説級装備、侵食型装備 《ギリアス》の所有者がアクト君なのだ‼︎」
そう言い放った所長にBHF内は驚愕に包まれた。だがその中には納得した表情の人もいた。あの場にエザールを…世界A級危険人物に指定されているあのエザールを殺せる人物などいなかったはずなので一体誰が、どうやってという疑問があったのである。
「だが彼はまだ《ギリアス》をうまく扱うことが出来ない。故に彼をBHF総本部にイレギュラーとして迎え入れ《ギリアス》の訓練を受けてもらおうと思う!何か意見のある者はいるか!?」
「はい、一つよろしいでしょうか?」
所長の説明が終わり何か意見があるか問うと隣にいたエリウィン副長から声が上がった。
「なにかね?」
「はい、アクト君の受け入れに関しては異論はありませんが訓練場所についてどうお考えなのか聞かせていただきたく存じます。」
所長に促され恐らくこの場にいる全員が思っているだろうことを質問した。
「場所についてはスキル「生成」を持つクルージオ先生に場所を生成してもらいダイヤス先生のスキル「硬化」で生成した場所を硬化してもらう。そうすれば例え暴走しても少しくらいは持つだろう。お願いできるかね?」
「了解です所長。早速作業に入りたいんですが場所と広さはどうしましょう?」
「うっす所長!精一杯頑張らせてもらうっす!硬度については自分ができる最高硬度でいいっすよね!」
広さについて質問したのはアクトの地理の授業担当のクルージオ先生だ。
そして硬度について質問したのは全学年の体育の授業を担当しているダイヤス先生だ。
「場所は第3区画の隣に作りそこを第4区画とする。広さは10km四方くらいで頼む。硬度については…そうだな、ダイヤス先生頼む。」
「了解しました。その広さだとだいたい20時間くらいかかると思います。」
「了解っす!クルージオ先生の生成が終わり次第すぐに硬化できるよう今から準備し
ておくっす!」
「え…あ…あの…」
自分のことなのに話に置いていかれてどうすればいいのか分からずアクトは困惑するしかできない…そんなアクトのことが見えないかのように話はどんどん進んでいく
「それ以外の者は他の伝説級装備の捜索を再開せよ!呪われし装備のほうの捜索も忘れるなよ?」
「「「「了解!」」」」