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第2話 ガントレット

どうも皆さん、かいです!

正直このストーリーは気分で書いているので不定期更新+いつ終わるか自分でも分かりません…

それでも皆さんに楽しんでもらえるような作品を作れるよう努力しているつもりなので大目に見ていただけると幸いなのです…

とまぁここでグダグダ言ってもなんですから本編行っちゃいましょう!

それでは第2話!

「いやー気持ちいいな、アクト!」


「たまには外に出るのも悪くないだろ?」


そこにはせっかくの休日なのに部屋にこもってグダグダしていたクリフェンと無理矢理外に連れ出すという重要な任務をこなし疲れ気味のアクトがいた。


場所は学生寮から少し離れた森の中


外へ出させるという任務を果たしたははいいもののどこに行こうという希望もないのでぶらぶらしていたらかなり大きい森が見えたので空気も美味しそうということで来てみたのだ。


「なあアクト」


「ん?」


それまで伸びをするなどだいぶダラけていたクリフェンが微妙に緊張をはらんだ声色でアクトに呼びかけ、それを察したアクトも少し気を張り詰めた。


いつもふざけたりしているが実力は学園で上位のクリフェンである…そこで疑問に思うのがなぜいつもアクトとばかり一緒にいるのか…


理由は簡単!クリフェンは友達がいないのである!実際には「いた」のだがいつも真面目にやらないクリフェンに愛想を尽かしいなくなったのである。


普通の学園ならおふざけ友達などがいそうだがなんせここ、ユーステリア学園は知っての通り普通の学園ではない。ユーステリア学園に入学できるのは対バステル装備を起動させるのに必須条件となる「魔力」を使えるということ。それだけである。


普通の人間は「魔力」を使えないがなぜか使える「ようになった者」だけが学園に入学できる権利を得る。

なぜ魔力を使えるようになったかはわかっていないが学園生にはひとつだけ共通点があった…それは「バステルに何か大切なものを奪われた」ということである。


そんなバステルに恨みを持っている人たちが常にふざけているクリフェンをよく思うわけもなく友達は誰もいなくなったのだ…アクトを除いて


「なんか背後から視線を感じないか?」


「確かに言われてみれば…」


クリフェンの指摘にアクトも視線に気がついた。


「これから俺はわざと転んで地面にある石を拾う。そして立ち上がり次第俺たちに視線を向けているやつ目掛けて投げる」


「了解。俺は何をすれば?」


「アクトは……念のためにいつでも装備を発動できるようにしておいてくれ」


「重ねて了解」


そしてちょうどいい石を見つけて…


「うわっ!!」


転んだ。演技とは思えないほど見事に。


「クリフェン大丈夫か!?」


「だ、大丈夫…のはずだ…」


……どうやら予想以上に痛かったらしい。顔が痛みに耐えるように歪んでいた。


「本当に大丈夫か?」


「あぁ…ありがとな、アクト」


クリフェンが立ち上がった途端…視線の主のすぐ横に向かって石を投げつけた。


石が木に当たり木の方が砕けた。


「あれ?クリフェン?お前が投げたのって石だよな?」


「うん?その辺に落ちている普通の石だよ?」


「お前ってそんなに強かったっけ?」


「実力は学園の上位クラス舐めんなよ?」


そんなことをいいながら相手に向かって油断をすることなく睨みつけていたクリフェンはやっぱりかなりの実力者なんだなと改めて実感していたら木の残骸から人が這い出てきた。


「いたた…いきなりひどいじゃない!」


「誰だお前…ってセレス!?何やってるんだ?」


アクトは現れた意外な人物に驚きの声をあげた。クリフェンは驚きすぎて何も言えないらしい…


「何って…アクト様が寮から出て行くのが見えたからついてきたのよ」


「「……」」


アクトとクリフェンは思った。


(それ…ストーカーじゃね?)


「ちなみにセレス?俺のことを見かけたのはたまたまなんだよな?」


「そんなわけないじゃない。ずっと見てたわよ」


嫌な予感がしながらアクトは恐る恐る聞いては見たもののさらに嫌な予感がした。


「ずっとって…まさか学園で別れてからも見てたってことじゃないよな…?」


「何言ってるの?」


アクトとクリフェンは心をなでおろした瞬間…


「当たり前じゃない」


2人は固まった。堂々とストーカー宣言してのけたセレスに何かいい返そうにも何も言えず動けなかったのだ。


「またか…また気がついてもらえないのか…」


また聞き覚えのある声が聞こえてきて全員声の方をみたら…シャドウがいた。


「あ、シャドウ…」


三人の誰かがそう呟いた


「やっとかぁ…やっと気が付いてくれたかぁ…ちなみに僕がさっきからみんなに伝えようとしてたのはあれのことだよ」


シャドウの悲しそうに指差した方向を見るとそこには木々の隙間から銀色の光が漏れていた…!


その光に導かれるままに歩いて行った4人が目にしたのは美しく輝く白銀のガントレットだった。


「きれい…」


セレスの言葉にみんなが同意を示すように頷いた。


「あれってもしかして…」


何かに気がついたシャドウは思い出すようにゆっくりと言葉を紡いだ。


「もしかして授業でやった伝説級装備…確か名前は全身鎧型装備メガトンヘイトで…そのガントレットパーツ…?」


シャドウの言葉を聞き全員がハッとしたように目を見開いていた。


当然伝説級装備のなんて見たことがなく、教科書にのっている画像でしか見たことはないはずだが一切の疑いなく目の前にあるのが伝説級装備であると確信できるほどそのガントレットからは圧倒的な威圧感が溢れ出ていたのだ


「なんで今の今まで気がつかなかったんだろう?」

アクトの疑問はもっともであったが当然答えられることができるものはいなかった。


「とりあえず学園長のユーフェイ先生に届けた方がよくね?」


「あ、じゃあ俺が持つよ」


クリフェンの提案にアクトがここぞとばかりに名乗りを上げた。アクトも男の子なのだ、伝説級装備に触れて見たいというのはあった。


「俺は別に構わないけど…」


といいながら他の人たちに視線を投げるクリフェン。

「アクト様がそうおっしゃるなら」


なるほどセレスはアクトに溺愛らしく伝説級装備に触れるかもと目をキラキラさせているアクトのことを規制が入りかねない表情で見ながらそう言った。このタイミングからセレス=危険人物というのがこの3人の共通認識となったのは言うまでもない。


「僕もアクト君が持つという意見に異議はないよ。僕が持ってそのまま伝説級装備ごと存在を忘れられたらシャレにならないからね…」


自虐を多量に含ませながらもそう答えたシャドウに決まりだなとクリフェンは頷いた。それってシャドウが持った方がある意味安全じゃね?と思ったがアクトのために黙っておくことにした。


「それを持っていかれると困るんだよなぁ」


とそのとき突然聞こえた声…低い男の声に全員ビクッと驚いた。特にクリフェンは会話しながらも周囲の警戒を怠ったつもりはないので自分の探知を抜けられたことに非常に驚きながらも自分もまだまだだなと感じていた。


「誰だ!」


アクトは落ちているガントレットを守るように立ちながら男に問いかけた。


「俺かぁ?俺は《コフィン》っていうギルドのエザールってんだぁ」


ねっとりとした喋り方が耳に付くがそんなことなど気にならないほどの威圧感をその男は放っていた。


「うちのリーダーが伝説級装備の収集にハマっててなぁ?それを持ってこいっていうんだよぉ…もし誰かが邪魔するようなら殺してもいいって言われててよぉ…お前らはまだ死にたくねーだろうし俺もガキは出来る限り殺したくねーからそれを渡してくんねぇか?」


別のものなら素直に渡して見逃してもらったかも知れない。しかし要求されているのは伝説級装備である。それに相手がギルド《コフィン》であったのも渡したくない理由である。


ギルド《コフィン》については授業でやっておりメンバーは全員自分の欲求を第一に考える連中で自分の欲求を満たすためなら人を殺すことも躊躇しない…そう教わっていた。そんな奴らに伝説級装備を渡してしまったら…考えるまでもない


「悪いけどこれは渡せないな」


アクトはエザールを睨みつけながら要求を断った。そして次の瞬間には仲間たちに指示を飛ばしていた。


「セレスとシャドウは学園に戻って助けを呼んできてくれ、クリフェンは…悪いけど残ってくれ」


「分かったわ!すぐに呼んでくるから待ってて!」


「僕のこと、覚えててくれたんだ…!ありがとう、すぐに呼んでくる!学園への近道を知ってるから案内するよ、セレスさん!」


「残ることには異議はないけど…アクトお前何をやるつもりだ?まさかあれをやるつもりじゃないよな!?」


各々の役割を把握し返事をしたがさすがは親友というべきかアクトがやろうとしていることが分かったらしい。2人が走り去ったあとに問いかけてきた。


「ははは…さすがはクリフェン、やっぱり見抜かれてたか…」


親友の鋭さに苦笑いしつつも肯定した。


「やめとけアクト!いままで成功した試しがないじゃないか!」


「そんなの関係ない!今やらなきゃ死ぬかもしれないんだぞ!」


「いつまで待たせるんだよぉ…!」


2人は警戒を怠ってはいなかったがなんせ相手は実力者である。見ることは辛うじて出来たものの回避をするどころか反応すら出来ず接近されエザールに殴られた。


「ぐっ…!」


「クリフェ…がはっ!」


たかが一発殴られただけで吹き飛ばされ、殴られたときに生じた衝撃波だけで全身怪我だらけになった。さすがのクリフェンもその一撃の重さに腹をくくらざるを得ないと判断し、親友の名前を呼んだ。


「アクト!」


それだけで親友の言いたいことを読み取ったアクトは真剣な表情で答えた。


「クリフェン!暴走したときは頼む」


「あぁ…任せろ!」


そのやりとりを聞いていたエザールは嫌な予感がした。何か確信があるわけではないが生物としての本能が逃げろと告げていた。しかし理性の部分でガキから逃げるという生き恥を晒すわけにはいかないと迷っていたのが失敗だった。


そしてアクトが静かに告げた。エザールには死刑宣告にも聞こえる切り札発動の詠唱を…


「目覚めろ、《ギリアス》敵を排除するために俺の体を侵食しろ」


アクトの持つ伝説級装備…侵食型装備ギリアスの発動の詠唱をした。

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