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57、依頼

 どうやら、ギルドカードが出来たらしい。

 これを受け取ってから依頼を受けられるとのことだ。

 というわけで早速カードを受け取ることに。


 受付の横の窓口でそれはもらえるらしかった。

 名前を呼ばれてそのギルドカードを受け取りに行く。

 俺は三人の中で一番最後だった。


 渡されたギルドカードは銀色のプレートにこの世界での俺たちの名前が記載されていた。

 なんでもこのカード全体が情報を保つための存在であるらしい。

 変なところで高度な技術だと俺は思いながらそれをポケットに入れて、


「ギルドカードももらったし、後は依頼を受けるだけだ。そういえばどうやって依頼は受けるんだ?」


 そこで俺はこのギルドでの依頼の受け方を知らないことに気づいた。

 カードを渡されたとき、説明がまったくなかったのである。ではどうすればいいのか?

 そう思っているとクレアが、


「以来の掲示板に張られた紙を持って窓口に行くだけですよ。その時にギルドカードが必要ですが……パーティを組んでいる場合、全員登録する必要がある場合とない場合があります」

「必要な場合は?」

「とても危険な魔物退治といったものでしょうか。援軍が必要な場合もあるのでそうなっています。そしてそうでないものはパーティの一人が責任を持って登録となっていますね。採取系は一人いればいいので、そんな風ですね」


 といった説明をしてくれた。

 それらの話を聞きながら俺は、


「じゃあ、採取系の依頼を少し今日はお試しで受けてみよう。俺たちは初心者なわけだし」


 そう話しながら以来のある掲示板に向かう。

 そこにはたくさんの依頼がつけられているが、


「日没までに見つけられそうな依頼はどれだろうな。……待てよ? 目的の物を探すための魔法があったな。それを使えばいいのか? でも実際に見つからなかった場合は……」


 などと俺がつぶやきながら考えているとそこでサラが一枚の紙を持って受付の方に行ってしまう。

 受けたい依頼があったのだろうかと俺が思っていると、すぐに戻ってきて、


「とても貴重なキノコ“ハエルンデス”を探して来る依頼を受けてみました。ぜひ、“探査”の魔法が見たいです」

「あの……それでそのキノコが本当に見つかる保証もないのですが」

「その時は人海戦術です。手分けして探しましょう。五人もいますし」

「……そんな形をしているのか俺たちはそもそも知らないのですが」

「依頼の紙に絵が描いてあります」


 そう言ってサラが手渡してきた紙には水玉模様の、いかにも毒キノコですと主張していそうな不気味なキノコの絵が描かれていた。

 なんだ、これは……。

 俺が動けずにいると寿也と百合が見て、うわ~と小さく声を上げる。

 

 それにサラは、


「このきのこは非常に美味しい貴重品で、まだ養殖技術が確立していない、珍しいものなのですよ。食べるとレベルアップするといわれているのです」

「……不安な気のする説明をありがとうございます。では、依頼を受けたことだし……日が暮れる前に、このキノコを探しに行くか」


 その言葉に他の皆が頷いたのだった。


 

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