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53、借りれる武器

 よほど気に入ったらしいギルドの喫茶店の主人が、クレアの屋敷に行けばカップラーメンは購入できるのかと聞いてきた。

 それに寿也は頷くも、


「ただいつまでもここにいるわけではないので……」

「そうなると食べられない。……商品開発が必要か。だがそうなると再現するためにこれらがあった方がいいか。……100個ほど仕入れさせていただいてもよろしいですか。星準金貨三十枚でいかがでしょう」

「……どうぞ」


 寿也は即座に交渉を成立させた。

 だがカップラーメン百個でこのお値段かと俺は思う。

 必要なものは高くて売れるのか? それともし好品だからだろうか、と俺たちが考えていると目の前でカップラーメンを出現させて、


「では」

「はい、これが星準金貨三十枚です」


 と言ってお金をもらいそこで寿也が、


「これで武器を買うためのお金ができた」


 そういったのだった。







 武器を俺たちは持っていない。

 基本的に魔法系の特殊能力チートなので、武器とは縁がない。

 だが魔法の世界の武器と言えば、ゲームか何かに出てくるような特別な効果がある武器などが売っていたりするのだろうか?


 そういった期待を持つもそこで俺は気づいた。


「確かにその金貨があれば武器は……購入できるのか? 他にある俺たちが持っているのは、クレア達からお小遣いで少しもらったものだけだ」

「あ、そういった費用はうちが……」


 そうクレアが言うが、いつまでもそういうわけにもいかないだろうと俺は思う。

 となるとと俺は考えて、


「武器はどれくらいの値段なんだろう?」

「ものによりますね。ちょくせつ見て合う武器を選ばないと」

「そうなのか。……今回手に入れたギルドカードで依頼はすぐに受けられたりするのでしょうか?」

「ええできますが……」


 クレアからそういった話を聞いてから寿也と百合に、


「どうする? これから依頼をいくつか受けてみて、この世界の通貨を更に稼いでから武器屋に向かい、武器を購入してみるか?」


 そう提案すると寿也が、


「それよりも今から参加できるフリーマーケットはあったりしないか? カップラーメンなどを売りたい」

「フリーマーケットは“魔族”の出現で中止になりましたし、次は一週間後ですね」

「そうか……」


 残念そうな寿也。

 まだそういったものを売って稼ぐのには時間が必要なようだった。

 だがこれで空いた時間はギルドでの依頼を受けられそうだと俺が思っていると、そこで百合が、


「依頼の掲示板の近くに、初心者の方には武器をお貸ししますってあったよ?」

「となるとそれを借りて、まずは戦闘をしてお金をためて購入か。寿也に頼りっきりなのも悪いし。どれくらいの期間、借りれそうなんだ?」

「一週間てあそこに書いてあるね」

「じゃあ早速借りてみようか」


 といった話を百合と俺がしているとそこでサラが、


「かりれる武器は安物のそんなに強い武器ではありませんよ?」

「でもどういったものが俺たちにあっているか分からないし、まずは借りてみて様子を見てもいいと思う」

「? 異世界では武器は使わないのですか?」

「今は、実生活で使うのは料理用の包丁くらいのものです」

「……いったいどんな生活をしているのか……異世界はやはりいろいろと違いますね」


 そうサラが驚いたように言う。

 だが俺達としてはこの世界の方が奇妙に見える。

 とはいえ、ここでただギルドカードが出来るのを待っていても仕方がないので、おかれている武器を見に行ったのだった。


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