43、勝利
削られていく“魔族”の体力。
再度寿也が氷の攻撃をしようとしているが、そこで再び体が鞭のように伸びてこちらに攻撃してくる。
それも百合が、屈折か何かを起こさせて別の場所にいるように見せているのだろう。
寿也のいたすぐ横のあたりを攻撃して、またも銃っといった何かが焼けるような音を立てている。
どうやら高温の“魔族”で、どこに目があるのか分からないが“視覚”で俺たちを確認しているようだ。
と、そこでサラやクレアたちも氷の攻撃に切り替える。
寿也ほどではないけれど氷の塊を飛ばしていっている。
体力もいくらかは削られているが、
「この分だとまだ時間がかかるな。その分疲労するから早めに戦闘の蹴りをつけた方がいい。……今なら弱点などの表示が調べて出せる? ……完全に実体化した後でないと、調べたりできないのか。だがもう弱点は分かっているから、“氷の剣”」
そう思って俺は魔法を一つ選択した。
確かこの魔法廃止によっていくつもの氷の剣を出現させるものだったはずだ。
とりあえずは七つくらいでいいか。
俺がそう思い浮かべると同時に、周囲に青い光の魔法陣が七つほどあr割れる。
それが強い光を発するとともに、氷の鋭い……寿也のものよりも大きなものが現れて、七本同時に攻撃をする。
こうしてみるとゲーム内の後継よりも強力な攻撃に見えるなと俺は感想を覚えながら、この魔法で倒せなかった場合、再度同じ魔法で攻撃しようと準備をする。
だが“魔族”に俺の魔法で攻撃した際、体力の数値がどんどん削られていくのを見ていると、やがて甲高い電子音のようなもの……ゲーム内では敵が倒された時の音のようなものが聞こえて表示が消失する。
同時にとらえておくことのできた黒い“魔族”と呼ばれるものが霧のように霧散する。
どうやら倒せたようだ。
「ふう、何とかなった……とりあえずみんなで力を合わせたからうまくいったみたいだ。……“魔族”と戦闘になるとは思わなかったな。そして“魔族”はそれぞれで性質が違うのか? ……こんな風に戦闘になるならこれからの事も考えて、戦い方も……」
そう俺がつぶやいているとそこで、
「ふう、まさかなんとかなるなんて。さすがは異世界の方々ですね」
「そうなのか? 寿也の氷のおかげで弱点は分かったし、百合のおかげで攻撃は受けずに済んだし……クレアさんたちのおかげでいくらか体力も削れましたし、こうやっていろいろと考えると俺一人だと危なかったかもしれない」
「足りないものが補えるのはいいことです。でも、“魔族”はそれぞれに強さがバラバラなのもあって私は詳しくは知りませんが、文献などの話で見る限り……それこそ手練れの冒険者や兵士たち数十人は死亡してしまう、そんな相手だそうです」
「……え?」
「ですが異世界人の場合は一人であそれを相手にしてしまったりするとのことですから、今回も、戦闘をそこまで目的としない力とはいえ、十分に強い力ではあると思います。本当に助かりました」
そうクレアが俺に微笑んで、そこで、クレアの父が増援の人たちを連れて俺たちの方に走ってきたのだった。
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