33、広場にて
こうして材料の類をクレアに確認したところ、今回の料理バトルでは何とかなりそうだった。
このみそ汁の材料はこの世界のもののように店糧も大丈夫らしい。
やはり異界のものというと食べる人も警戒しそうだしと俺は思った。
そして早速クレアには料理バトルをする場所に案内してもらうことに。
近くですからと言って歩いてそこに向かうこと十分。
町中にある広場に俺たちはやってきた。
催し物などをする場所とのクレアから聞いていた俺たちだが、すでにそこそこ人だかりができていた。
だが全員顔色が優れない。
と、そこで今度は大きな通りの道から料理人らしき人たちを引き連れて、昨日俺たちの泊まっている屋敷にやってきた男が現れた。
「ははは、逃げずにここに来るとはな。その勇気だけは誉めてやろう。無謀ともいうがな」
「グズタ、あなたの好きにはさせません」
そこでクレアがそう言い返すとその男、グズタが嗤う。
「クレアお嬢様、何を言っているのですか? あなた方はここで確実に負けるのですよ……痛い!」
「……見苦しい姿でお嬢様の近くに来ないでくださいませ」
そこでメイドのサラがグズタの足を踏みつけた。
それに涙目になりながら、
「このメイドふぜいが俺様の足を踏んで許されると思っているのか!?」
「もう片足を踏まれたいのであればどうぞ。ちなみにこの場で料理できないようにして差し上げてもよろしいですよ?」
「そ、そうなれば一方的に俺たちの勝ち……」
「あら、同じ勝ちなら、貴方をぼこぼこにしてからでも構いませんよね?」
にたりと笑ったメイドのサラにグズタは距離をとって逃げ出して、
「こ、この、後で覚えていろ!」
そういって逃げ出した。
サラはそれをふんと鼻で笑ってから俺たちの方を振り向いて微妙そうな顔をしてから、
「できれば現地人の力で勝利したかったのですが……今日はよろしくお願いします」
サラがそう言う。
俺たちに不満そうだったのはそれが理由であったらしい。
そこでクレアがサラに、
「サラあんなことをして……」
「お嬢様に対するあの行動は目に余るものがあります。クレアお嬢様を狙っている男の一人でもありますから」
「そんなことは……」
「お嬢様には悪い虫は近づかせません」
そうサラに言われたクレアが困った顔をしている。
とはいえ、いつまでもそんな話をしていても仕方がない。
というわけで早速俺は、“家”を呼び出すことにした。
周囲に人がいないことを確認してから呼び出す。
周りからざわめきが聞こえたがとりあえず中に入る。
中はこの前と同じ。
「あとは材料をこれから料理するだけか。……下準備程度はすることは許せるのか?」
「どの程度ですか?」
「煮干しの頭と内臓を取り除いで、フライパンで軽くいる程度」
「その程度は大丈夫です」
といった話を聞いた俺は早速それらの準備を始めたのだが……。
「フライパンで煮干しを乾煎りしていると、虹色の火花が散るんだが」
「これを“虹色の煙火”」
「やめろ、変な二つ名をつけるのはやめるんだ寿也!」
俺はそう叫んだのだった。
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