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自称

 現れた謎の大男。

 彼は料理人が見つかったのか? と聞いてきた。

 それにクレアが、


「わかっているくせにそれを聞くのですか」

「当然だとも。早く降参して我々の傘下にお前たちも入ればいいのだ」

「お断りです。それに……私達が勝てば手を引いてくれる約束は、覚えていますね?」

「もちろんだとも。だが、そんな余裕があるのかな? お前たちの所の優れた料理人は、全員我々の配下だ」

「今回は我々にも勝算があります。見ていなさい……貴方たちを圧倒的な料理力で踏みつぶして見せます」

「威勢のいいお嬢様だ。せいぜい頑張るんだな」


 そうクレアに返して大男は去っていった。

 それにクレアが悔しそうににらみつけていたのだが……いったいどういう話になっているのか俺にはよく分からない。

 などと思っているとそこでクレアがようやく気付いたようだった。


「お見苦しい所をお見せして申し訳ありません」

「いえ……あの人たちはどういった方なのでしょうか」

「“自称・悪の美食会”だそうです」


 クレアはそういうが、俺は何かを聞き間違えたのかと思った。

 そう思っているとクレアが、


「この世界では、最近“魔族”の出現が頻発しており、終末思想のようなものがはびこっているのです」

「そうなのか?」

「はい、その一つが“自称・悪の美食会”だそうで、彼らは、“魔族”が現れた時はあきらめて無防備でいて、それまでは美味しいものを食べましょうといった謳い文句だったのですが……気づいた時には料理人たちのギルドの権利を奪ってしまい、そこに属さないと店が出せない状況に」


 そう言いだしたのだった。


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