24、屋敷につきました
そんな話をしたり、異世界についての変わった話などをしている内にクレアの屋敷が近づいて来たらしい。
森の木々に囲まれた景色が途切れ、畑が見え始める。
背の高い植物が育っているが、大きな穂の部分は麦のような形をしている。
だが見ている範囲ではその麦の一粒が、俺の握り拳程度の大きさ張るような気がする。
なんだこれは。
そう俺が戦慄を覚えているとそこでクレアが、
「これはパンのもとになる麦ですね」
「この世界の麦はこんな大きいのですか」
「? 異世界の麦はもっと小さいのですか? 確かにそういった品種はありますが、この麦の方が育ちやすいんです。ただ……」
「ただ?」
「時々麦同士が喧嘩して、絡まっちゃうんですよね」
「……え?」
「え?」
何か面妖なことを聞いた気がした俺だが、どうやらこの世界ではそれが当たり前らしい。
だからそれ以上深くは考えないようにしようと俺は思いながら、別の話を振る。
「そういえばクレアさんの町はどのような場所なのでしょうか」
何気なしに問いかけるとメイドのサラが、俺をにらんだ。
なんで、と俺が思っているとそこでサラが、
「クレア様、です。クレア様は由緒正しい伯爵家の……」
といったようにサラの説明が始まった。
ただ如何せん人名が多く、その関係図が良く分からず……口頭での説明の限界を感じつつ俺は、とりあえずは相槌をうつことにしていた。
とりあえず適当に終わらせてしまおう、そう思っていると馬車が停車する。 そして、
「つきました、ここが私の家です」
そうクレアが微笑んだのだった。
評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。




