11、観察しようか
こうして異世界に来て初めての朝食であるホットケーキを食べた俺達は、皿洗いなどをしてから、今後の予定について話し合うことになった。
「まずはこのまま村を目指したほうがいいだろう。室内にある時計がこの世界の標準的な時刻を表しているのかどうかは分からないが……現在この世界の時間は、朝の六時半であるらしい」
そう俺は時計を再度確認する。
時間を確認してから、
「それでまだ俺達はこの世界の事に詳しくない。この世界の通貨についても何も分からない。この状況で……まずは生活のためのお金を稼ぐ必要があるだろう」
「直人、女神様から、もし“魔族”が出てきたら適当に相手をしておいてね、という話は?」
「だが俺が聞いた時には、“本命”以外のサブだから、そこまで戦闘はないからこの世界を楽しんでいってね、だったぞ?」
「そんな風に俺は説明されなかったな。一部端折られているような……」
そういって呻く寿也に俺は、
「とりあえず人のいる町周辺を散策するか、この世界の現地の人に話を聞くしかないな。でないと状況が分からない。……一週間程度は、周りの状況の観察を中心にした方がいいか」
それに寿也と百合が頷く。
と、百合が何かを思いついたらしく手をたたいて、
「そうだね、直人の言う通りそうしてもいいかも。それならお弁当なんかも作った方がいいかな? 作り置きのおかずも作っておくと良さそう……あ、でもこの家って、作っておいた物は出したり入れたりすると消えたりするのかな?」
「さっきゴミ箱に入れたものは消失したな。折角だから試してみるか。寿也、好きなものを呼び出してくれ」
その言葉に寿也は、カップラーメンを十個ほど呼び出したのだった。
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