10、ホットケーキ
こうして呼び出された材料で、百合にホットケーキを作ってもらうことに。
壁にかかっていたエプロンを着て、百合が楽しそうに材料を混ぜ始める。
こねこねこね
まぜまぜまぜ。
書いてある分量通りの物を計量して混ぜて、後は熱したフライパンにバターを落とす。
じゅ~と音がしてバターがとろけていく。
薄くクリーム色をしたホットケーキのタネをフライパンに落として焼き上げる。
ふつふつと泡が立って、膨れてきたらひっくり返すと美味しそうな黄金色に焼けている。
女の子の手料理という点だけではなく、香ばしく美味しそうな焼けるにおいは食欲をそそる。
そう思いながらそこで俺は気づいた。
「寿也、ホットケーキに必要なメープルシロップがない」
「メープル風シロップ? それともメープルシロップ? どちらだ?」
「……なんでも呼び出せるんだからそこはメープルシロップにしよう」
俺はそう突っ込みを入れて、そこで瓶詰のメープルシロップが呼び出される。
美味しそうな黄金色のシロップがなみなみと入っているガラスの瓶。
それを見ているとそこで百合が、
「まずは一枚焼けたよ。次は二枚目~」
と言って、そこそこの大きさのホットケーキを六枚ほど焼く。
それで一回分のホットケーキミックスは終了となった。
そして、さっそくバターとメープルシロップをたっぷりかけて食べてみると、
「うまい」
「これは、最高だ」
俺と寿也がホットケーキを食べながらそう言うと百合が、照れたように、
「よかった、喜んでもらえて嬉しいよ」
そう言ったのだった。
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