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13話.二人目

第二章スタートです!

「ダンジョンメニュー!」


 コアの内部のエネルギーが上昇し、爆発。クリスタルが砕け散り、煙の中からウインドウが出現する。


「何回経験しても、これは心臓に悪いな」


 オレとアルルが盗賊を倒してから、一週間が経過した。盗賊を倒した時のあの力。オレの理想としているあの力は、今のオレには手に余ると邪神は言った。


 ならば、オレが強くなればいい。あの力の使用に耐えられ得る程に。


 ――では、ダンジョンマスターにとって強さとは何だろうか?


 これについて色々考えたのだが、やはり目安となるのはダンジョンのレベルだろう。ダンジョンマスターはダンジョン無しには生きていけない。だからこそ、ダンジョンのレベルを上げる事で、オレも強くなれる筈だ。


 だからこそ、この一週間モンスターをダンジョン内におびき寄せては、倒すという作業を行ってきた。何回かダンジョンもレベルアップしている。レベルアップの度に、少しではあるが力が増しているのを感じるのでオレの予想は合っていたらしい。


 現在のダンジョンの様子は、こんな感じだ。




  ――ダンジョンメニュー――


 機能一覧

 ・ダンジョン改造

 ・ダンジョン監視



 ・現在のダンジョンのレベルは4です。レベルを上げる事で機能は追加されます。


 

 まずはダンジョンメニューだが、新しい機能が追加された。ダンジョン監視。この機能はダンジョン内の様子をコアルームから確認出来る機能だ。これを使うと、監視カメラの様な映像が宙に投影される。まだまだオレのダンジョンは狭い為、活躍の機会は与えられて無いが、いずれ重宝するようになるであろう便利な機能だ。


 次に、ダンジョン内についてだ。そうだな、これを見て欲しい。



  ――ダンジョンメニュー――


 ・ダンジョン改造

 利用できる機能は次の通りです。

 ・通路生成(残り一回)


 設置した機能は次の通りです。

 ・通路(三回)

 ・小部屋(二回)



 こんな感じで、通路の数と部屋の数が増えた。予想通り、レベルアップで設置できる部屋の数などが増えていくらしい。まだ二種類しかないが、種類もいずれ増えていくだろう。


 まだまだダンジョンと呼べる規模ではないが、それらしくなってきた段階といった所だ。


 次に、オレ自身の変化についてだ。心なしか、身体能力が上がった気がする。まあ、これは本当に少しだけだ。もしかしたら気のせいかもしれない。オレ自身、自分の身体に何か変化がないか注意していなければ気付けなかった。そんなレベルの話だ。


 分かりやすい変化としては、召喚できるスライムの数が増えた事だろう。


 現在、オレはスライムを二匹まで召喚、使役する事が出来る。単純に戦力が倍になったと考えていいだろう。数が増えればそれだけ取れる戦術も増える。そのお陰でこの辺りのモンスターなら安定して狩れるようになった。


 ダンジョンについては、こんな所だ。


 最近はダンジョンに掛かりっきりになっていたし、そろそろ村にでも行こうと思う。と言っても、戦いに行く訳ではない。旅人として、正面から普通に訪問する予定だ。


 あれだけ威勢のいい宣戦布告をしておいて何だが、オレは今でも旅人として、週に何回かあの村を訪問している。というのも、アッシュに物理的な怪我は無かったが、心には深い傷を負ったらしい。アッシュを助けた恩人として、面倒を見て欲しいと村長直々に頼まれたのだ。


 勿論、アルルの事も脳裏には有った。最早、オレ達は敵同士なのをお互いに知っている状況だ。いつ、どこで殺し合いが始まってもおかしくはない。


 だが、オレはこの村を気に入っている。この場所で事を構えるつもりは無かった。アルルも静観している事から、おそらく村で戦うつもりは無いのだろう。その点は良かった。この村の人達の前で、アルルを殺すのは流石に気が引ける。


 そんな訳で、オレもアルルもお互いに村では不干渉を貫いている。


 ここ最近の出来事はこんな所だ。


「シャットダウン」

 

 宙に浮かぶウインドウが、徐々に消えていき、後にはクリスタルが残った。


 言い忘れていたが、ダンジョンメニューはシャットダウンというコマンドを呟く事で閉じる事が出来る。もしくは、時間経過で元のクリスタルに戻るらしい。


 ――さて、そろそろ向かおうかな。


 ダンジョンを出て、村に向かう。モンスターを狩っているうちに、新しく出来た獣道を通りながら。




 ………………。





 ……なんだ? これは?


 村に着くと、村の様子は平時とは違っていた。まるで以前、アッシュが誘拐された時の様な、そんな喧騒に包まれていた。最も、あの時の絶望感漂う雰囲気では無く、楽しげな雰囲気だったが。何か祝い事でもあったのだろうか。


「おお、シンさん! よく来てくれた!」


「村長、何かお祝い事でもあったのかい? 宴の準備でもしている様に見えるんだが」


「そうなんだよ! 何と! 盗賊団の残党がいるかもしれないってんで、この村の警備が強化される事になったんだよ。王都から、武術と魔術に長けた者が一人、派遣されるんだと。だから今、歓迎パーティの準備をしているのさ」


 ――ほう、いいね。


 この村の警備が頑丈になるのは、正直嬉しいものがある。なぜなら、この村の戦力は実質アルル一人。その為アルルを殺した後、この村がどうなるかを考えると気が重くなる事があった。懸念材料が一つ減るのはいい事だ。少なくとも、警備の強化はオレにとってはメリットが大きい。


「それにな! なんと、そのお方は勇者らしいんだよ!」


 …………へえ。


 如何やら、アルルの他にもう一人、この村に勇者がやってくるらしい。オレの敵が、もう一人増えるという事だ。


 ……いいぜ、望むところだ。誰が来ようと、オレのダンジョンで殺してやるよ。

  

 殺すべき対象が一人増えた所で、オレのやる事は変わらない。さあ、早く来いよ。新しい勇者。


 もしお前が、私利私欲の為に力を振りかざすクズだったら、オレが速攻で殺してやるからさ。

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