360°
今日は一人、空を見上げた
雲の切れ間
360°
思いは一つ
どうしたって、君を見つけたい
君に思いを届けたい
隣の家の二階の窓には
カーテンを揺らす君がいる
僕の家の屋根の上には
宇宙からの電波を待つ
肉抜きにされた魚がいる
付き合いの悪い望遠鏡
手の中で冷えた二つのカイロ
ほら、また一つ
上着を羽織ったトライアングルが
産み落としたツインズの滴
吐く息は
思ったよりも温かい
遠くに響くバイクの音が
早く家に帰れと誘う
待てども、君は降りてこない
巡り巡って、結論は同じ
あと、もう少しだけ
君を待っててもいいかい?
寒い。
おやすみなさい。