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第九話:お出迎え

 昼休みというものは五十分しかない。その間に少しでも睡眠はとりたいところだが、このクラスの連中はそうさせてくれない。むしろ、一番の原因は自分の父親のせいではないかと修は思っている。

 窓の外をいつものようにボーっとして眺めていると、パトカーが正門の前に堂々と止まるのだ。


「パトカー? 何か事件でもあったのか?」


 高校から修と同じクラスメイトになったものは知らない。

 快が盛大な溜息をつくのと、翔がやれやれという顔をするのと、白真がきらきらした表情を見せただけで分かるものは、長年の付き合いであるものだけだ。


「時枝修殿! 篠原快殿! 警視総監がお待ちであります! 直ちに出頭戴きたい!」


 「かわいそうに」という言葉はこのためにある。修は自分の父親が警視総監であることをこれほど謝罪したい気持ちにさせることはないと思った。


 そして、やはりバスタークラスは騒ぎ始めた。


「快君! 何かやらかしたの!?」

「修! お前が付いていながら何してたんだよ!」

「白、お前だろ、何かやらかしたの」

「いや、翔のミスとか?」


 クラスの面々は質問攻めにする。

 半分はからかいと冷やかしだが……


「お前の親父さん何とかならないのか?」


 快がダレながら尋ねるが、修は首を横に振って答えた。


「馬鹿につける薬はまだあっても、大馬鹿に飲ませる毒薬はねぇよ」

「だな……」


 それを聞いて快は大地のほうを見ると、


「ああ、夕飯作って待ってるからさ。ちゃっちゃと行って来い。ノートは翡翠と紫織に頼んどけ」


 次の授業は数学。テスト前の授業にTEAM全員で警察署に行くなど自殺行為だ。それを少しは考慮してか、今日は快と修だけの迎えにしてくれたんだろう。

 おそらく部下の警察官が……


「ちょっと待てよ! 俺も行くぞ!」

「俺もついでに行く」


 白真と翔も言う。おそらく好奇心と勘という何かが働くからであろう。


「大体、快ちゃんと修ちゃんだけ授業サボれるなんてずるいぞ!」

「だよな。こんな面白いこと久しぶりだしな!」


 前言撤回。入学以来つまらない任務ばかりでそろそろ大きなことをやりたくなっただけだ、この二人は。

 しかし、止めても無駄だとわかっているので快は了承した。


「じゃ、いくか」


 次の瞬間、校舎の三階から飛び降りる四つの影が現れた。

 窓を見ていたものは茶を噴出したり、あんぐり口をあけたり、失神するものまでが続出した。


 そしてその騒ぎも束の間……


「チャイム鳴ったぞ! 席に座れ!」


 担任の大原の名物「声着」が飛び出す。それを聞いて座らないものはまずいないが、今日は四つの空席がある。


「ん? あの四人はどうした?」

「任務ですよ。今日は警視庁から呼び出されましたから」

「時枝か……」

 

 大原は溜息をついた。元自分の教え子である時枝警視総監を思い出しながら……




それではさくさくいっときましょう!

今回の自己紹介は・・・・


『時枝 修』(トキエダ シュウ)

 冷静沈着の素透し眼鏡をかけた模範的優等生。成績は毎度快と学年一位を争っているが、必ず二人とも一位なので決着は付かず。(しかし、本人たちは争うつもりはない)時枝警視総監の息子で、かなりの苦労を背負わされている。部活は剣道部、全国大会で毎年準優勝という強者だ。負けている相手は・・・・ 


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