第四十五話:チームで良かった
「で、結局また告れなかったのか」
「またと言うな」
テスト終了後の部活は少しばかり体が重い。しかし、それも無理はない。
任務完了から丸四日間、快チームの四人は絶対安静を命じられた。その代償としてテストも一日遅れたので放課後までテストを受ける羽目になったのだ。
そしてさらに快の心は悪友の一言に気を重くしているのである。
「まっ、快が不器用なのは昔から知ってたけどよ、いい加減翡翠に伝えること伝えねぇと逃げられるぞ?」
まるで刃を喉に刺されそうな気がした。翔のいうことはたいてい的を得ている。
「それによ、お前があいつの隣にいてやらねぇとしっくり来ないのは俺だけか?」
それだけ言えば十分だった。翡翠が隣にいなければ、何かが欠けてるような気がするから。
「かもな。とりあえず、聞くだけ聞いてみるか。フラれようとも同じチームなんだからさ」
「はっ!?」
思わず翔は声をあげた。フラれるなんて言葉が快に存在しているなどと誰が思うだろうか。
「お前、んなこと思ってたのか?」
「当然だろう? あいつが俺を恋愛対象に見てると確定できるか? 兄妹みたいに過ごしてきたんだぞ?」
ここに他のチームメイト達がいたらどれだけ大騒ぎになっていただろう。快が翡翠のことに鈍くなるのは知っていたが、ここまでじれったいと蹴りの一発を入れても罰はあたりそうにない。
「とにかく、翡翠に言ってくる」
「何を?」
突如現れた当事者。驚いたのは快だけではない。
「とりあえず、俺は先にあがるから」
精一杯の翔なりの気遣い。しかし、それは一瞬のうちに消えた。
「翡翠、お前……、肩の包帯緩いんだよ! ちゃんと巻いとけ!」
さっきまで告白するといった決意は一体どこに消えたのか……
もはや空気は恋愛と程遠くなった。
「なっ!? 快が沢山動くからいけないんじゃないっ! あ〜っ!! こんなになっちゃって! また傷口開いたらどうするのよ!」
「それをさせないのがお前の仕事だろ! ちゃんとしとけよ!」
そして翔は思った。
「こいつらがチームで良かったよ……」
特大の溜息は彼の心情を全て物語っていた……
THE TEAM!(2)も始まりました☆是非ご覧ください。




