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第三十九話:一人目

「夢乃っ! そっちの状況を知らせろ!」


 義臣は先発隊の連絡が突如途絶えた事で臨戦体制を敷始めた。その状況を察知した社員達が別部隊の招集をかけ始めている。そして、緊迫した声で夢乃は通信に応えた。


「至急援軍を! 尊氏の分身全てにデビル・アイのコピーが搭載されている!」

「コピーだと!? そんな馬鹿な事があるはずがない!」

「それが実際に起きてるっ! このままじゃ快のチームが全滅する! 至急援軍を!」


 そのとき背中に悪寒が走った! 氷堂尊氏だ!


「自分の息子を心配している場合か?」

「っつ……!」


 振り返った瞬間、刃が夢乃に振り下ろされた!


「夢乃っ!!」


 夢乃の通信は完全に途絶えた……



「何やってるんだよ快ちゃんは……」

「さぁな。だが、氷堂が分身が得意戦術だって事は知ってただろう」

「そりゃデータは頭の中に入れて来たけど、こんな不気味だなんて聞いてないよ」 


 修と白真は合流していた。おそらく自分達の目の前にいるのは氷堂尊氏の分身。分身のみなら倒せたかもしれないが、デビル・アイを搭載した相手と戦って無事だとは思えない。夢乃達が来ないのも戦闘に巻き込まれたからだろう。


「とにかく翔が一人なんだ。こいつを早く倒して合流するぞ」

「しかないね」


 二人は分身に立ち向かった。



 そして、噂の主は絶体絶命のピンチを迎えていたのである。


「弱い、お前が片岡航生の息子とは思えないが……」

「はっ、あんな化物と一緒にするな……」


 翔は肋骨の痛みに耐えながら答えた。数本折れていることはわかる。しかし、ここで死ぬわけにもいかず、何とか活路を見出だそうとただ冷静に考えていた。


「まぁ、いいだろう。お前もかつてはブラッドに潜伏していたんだ。私自ら消してやることを光栄に思おうがいい……」

「へっ、分身なら俺でも勝てたかな……」


 デビル・アイは不気味な光を放ち、翔の胸を貫いた……


「一人目だ、篠原快……」


 氷堂はその場から消え去った。



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