第三十六話:デビル・アイ
全てはこの時のためだった。どうしても勝ちたかった。どうしてもけじめを付けたかった。
自分の性でその年、夢乃に宿っていた弟の命は亡くなった。だが、自分の前で涙を見せることもなく、ただ悲しいことだと小さく笑った顔は今でも快の心に影を落としている。
ただ、その時に悲しんだのは夢乃だけじゃなかった。誰もが泣けなかった分だけ翡翠は隠れて泣いていた……
「ようやく出会えたな、氷堂尊氏」
ブラッド社長室には暗室の中に少しだけの明かり。だが、尊氏の周りは恐るべき覇気が取り巻いている。そして専用の黒革の椅子に彼はゆったり座っていたのだ。
「篠原快か、あの頃と比べて随分成長したようだ。噂でも聞いたよ、天才バスターだとな」
声は変わっていない。だが、以前対峙した時と比べてどこか異様な空気になった気がするが、さすがの快の視力でも確認できなかった。しかし、冷静さは失わずに言葉を返す。
「噂だけか? 相手の力量を測れないほど落ちぶれてるわけでもないだろう?」
少しだけ快は自分の覇気を叩きつける。それに尊氏は微笑を浮かべた。
「フッ、その通りだな。だが、少しは懐かしむ時間を与えてくれないか? 容姿だけは義臣にそっくりになってきたんだからな」
尊氏には自分の姿が見えていた。少々明かりがなければ自分に不利なようだ。
「容姿だけだと思うなよ」
そういった次の瞬間、快は天井を破壊する!
「破壊力も上がってるんだからよ!」
ブラッド本社を燃やしていた火が暗室に差し込んだ。だが、快が見たものはかつての尊氏の顔ではなかった。
「それは……!」
左目に入った赤い機械の目。傷口はそのままだが、目そのものに生命を感じる。
「昔言ったことがあるだろう? 風野博士が作り上げた『デビル・アイ』だ」
それはかつて快達に持ってくるように命じたもの。それをこの八年間で尊氏は手にしていたのである。
「私の目になじむのに時間がかかったが、今では最高の気分だ。これで義臣に復讐出来る」
「ぐはっ!!」
快は吐血した! デビル・アイから発生した衝撃波の直撃を受けていたのだ!
「だが、その前にお前からだ、篠原快」
尊氏は不気味な笑みを浮かべて襲い掛かってきた。
これで一応少しの間更新停滞です。
その間に今までの話を読み返してくださると嬉しいです☆
そして、もうすぐこのお話も完結です。
ですが・・・・・・・また今度にします(笑)
さらに、この話の疑問とかあったらどしどしお寄せください☆
(ただでさえわけのわからん話ですしね)
お待ちしております☆




