第三十一話:平々凡々
片岡翔、平々凡々の頭脳に容姿。掃除屋界の中では特に目立ったこともないが、友人達からの信頼に厚い。ついでに言えば、個性派揃いの高校生バスターと比べると、若干だが影が薄いと評されている。
そんな人物が今、世の中を賑わしているTEAMの篠原快達と隊を組んでいることが疑問に思われることもしばしば。だが、そんな彼だからこそやれることもがある。
それは任務前日のこと……
「向こうの幹部に火の使い手がいる」
快がそう発すれば、視線は翔へと向けられる。
「間違いなく翔に当たるな」
「うん、俺もそう思う」
修と白真は頷きあった。
「だろうな。翔が昔暴れた時、切裂といい風木霊といいしかも幹部とやりあった時も風魔法だろ。間違いなくお前が狙われる」
「なんか風しか能がないような言い方だな……」
「九割は違いないだろ」
快の冷静な判断は当たっているだけにきつい。
「だが、ある意味チャンスだ。お前が風しか使えないと思い込んでいたら、少なくとも風タイプだと思っていれば必ず相手に隙が出来る。頼んだぜ、翔」
そして現在に至るのある。
「快の言うとおりだよ、まったく……」
翔は有能な隊長に改めて感心するのだった。目の前にいる女は火使いの幹部だったのだから。確か名前は……、忘れているが……
「いらっしゃい、ぼうや」
茶髪のロングヘアーに真っ赤な口紅をつけた売れないキャバクラ嬢。翔の第一印象はまさにそれだった。
甘ったるい声はしているものの、性格はどう見てもどぎつそうな女だ。顔で分かるというのはあながち嘘ではないらしい。
「随分と老けたおばさんだな。バスター引退した方が良くないか?」
「残念、夢乃より若いから心配いらないわ」
子供の挑発という手には引っかからないらしいが、彼は意外と観察眼には優れていた。
「だけど行き遅れだろ」
的を得ていた。ピクリと眉間にシワが寄ったのは隠せない。
「失礼な子。坊やのバスタータイプは?」
「自然系だな、一応」
あえて翔はそう答えた。わざわざ弱点を晒す必要もないからだ。
そして、バスターには大きく四つの戦闘タイプに分類される。
もっともスタンダードなのが武器を使う体術系。換装士もこれに入る。
次に召喚系。様々なものを呼び出し戦うもの。快がまさにこのタイプだ。
そして治療系。戦闘より回復にまわるバスター。バスター界でも少ないタイプである。
最後が自然系。この世の自然というものを操るタイプだ。ただし、この中でさらに火や水といったように細かく分かれているのである。
「そう、だったら私と同じね。だけど水タイプではないでしょう?」
「知ってるんじゃねぇか……」
翔は臨戦態勢を整える。それに女は笑みを浮かべた。
「当たり前。相手の弱点に合わせた配置はされてる。まぁ、猿柿はやられたみたいだけど残りのメンバーはそうはいかない」
そして、女は手に炎を練り出しながら告げた。
「自己紹介はしておくわ。私は長野桃子」
「そうだったな。俺は片岡翔だ」
そして火と風は激突する。
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