第二十二話:激闘
TEAM本社。柔らかな日差しが届く救護室で眠っていた紫織は意識を取り戻すと、優しい笑みを向けて頭を撫でてくれる美女が視界に飛び込んできた。
「ごめんね紫織ちゃん。白ちゃんの家の病院にいっていたから痛みが少し長く続いちゃったわね」
やんわりとした口調で、申し訳なさそうに夢乃は謝った。
「ごめんなさい、夢乃さん……」
「どうして? 紫織ちゃんが謝る必要はないわ」
さらさらとした紫織の髪を指で梳かしてやると、紫織は涙を浮かべて答えた。
「だって、私が翡翠を助けられなかったから翡翠が捕まっちゃったのでしょう!?」
それに対して夢乃は首を横に振った。
「それは違うわ。紫織ちゃんの性じゃなくて悪いのは翡翠ちゃんを拐った敵よ。それに大丈夫。私も今から戦線に出るから紫織ちゃんはゆっくり眠っていてね」
「えっ! だけど夢乃さん!」
止める前に夢乃は姿を消した。紫織の頭の怪我を完全に治して……
その頃ブラッド本社では……
「ほう、これはこれは、TEAMに逃げ込んだ馬鹿息子の仁と義臣に仕える優秀な秘書の智子殿じゃないか」
癇に障る言い方を尊氏は選んだ。そのほうが面白いといわんばかりに……
「今度はその目だけじゃなく、口まで消してやろうか?」
仁は殺気を放った。智子はまったく相手にせず快達を逃がす方法を考えている。二人相手でもこの目の前にいる男にかなうかどうかは疑わしい。
「随分口も悪くなったな。義臣の影響か?」
「残念、社長は普段はだれているんでね、素行の悪さはあんた譲りだと思えよ!」
快達は初めて本気の仁を目の当たりにした。これがあの優しい氷堂さんだとは思えなかった。
「そうか、ならばその親としてやらねばならないことは一つだけだ」
手に光が集中し始める。間違いなくその力は危険だ!
「お前を葬り去る!」
「やらせるか!」
衝撃が鼓膜を突き破ろうとするのを感じた! 速く、何も見えない! これが達人といわれるバスターの本気だ!
「快ちゃん、この場から決して動かないでね」
「智子さん?」
智子は結界を張ると、衝撃の中に飛び込んだ。
「氷堂尊氏っ! 掃除屋界の危険因子としてお前をつぶす!!」
智子の手に雷光が走る!
「喰らえっ!」
手から放たれた雷光は尊氏の残像を消し、さらに本体を追いかけ始めた!
「ちっ!」
尊氏も仁の行動と智子の攻撃を見ながら確実に二人をしとめる戦略を練り始める。それだけの余裕があったのだ。
「快ちゃん……」
白真の声が震えながらも出された呟きに快は耳を澄ませる。
「このままじゃ、二人とも殺される……!」
それは快自身も感じていたことだった……




