表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/46

第十九話:津波

「がはっ!」

「翔!」


 ブラッドの幹部数十人に囲まれていた修と翔は、自分達の力全てを使い切っていた。修の時空魔法で逃げ切りたかったが、それをさせない速さが目前の敵の特技らしい。


「おいおい、もうくたばったのか?TEAMのガキだったらもう少し位楽しませてくれよ」


 首根っこを筋肉質の男に持ち上げられたが、翔は反抗した目を決して崩さなかった。

 それを見て、卑下された笑いが二人の空間に立ち込める。


 手を出してはいけない、そんなことは分かっていた。子供ながらにも「ブラッド」の名は脅威の存在だと知っていたから。

 だがそんなことより、翡翠が無事なことだけを願っていた。だからこそ、最後まで反抗したかったのである。命乞いをして死ぬことだけはしたくなかった。


「可愛そうなことしてやるなよ。一思いに殺してやりな」

「殺し屋の癖して母性本能でも働いてるのか?」


 さらにこの空間は笑いに包まれる。


「やるならやれよ。こっちはプロのバスターとしての誇りがあるんだ。てめぇらみたいなカスに情けなんか掛けられても嬉かねぇんだよ!」


 血の混ざった唾を翔は男の顔に吐く。その態度に周りは笑い出すが、首根っこをつかんでいた男は激怒した!


「クソガキがぁ!!」


 手に鋭い刃が召喚される。水を滴らせているあたりこの男は「水」を扱う剣士なんだと理解できた。


「そんなに死にたければ今すぐ楽にしてやる!」

「やらせるか!」


 修は男に全力で体当たりした! そしてその体勢が崩れたところで翔も男の顔に蹴りを一発入れる!


「すまない、修」

「礼は後だ。とにかくここから逃げることを考えろ。援軍なんて絶対来ないんだからよ!」

「そのようだな」


 男は立ち上がる。そして二人は最悪の光景を見た。男が召喚した剣に水がまるで生き物かのようにうごめいてる。


「俺も遊びには疲れた。後二人侵入者もいたようだしな。そいつらに期待するとしよう……」


 そして切っ先をスッと二人に向ける。


「終わりだ」

「うわあああ!!!」


 二人は真正面からその攻撃を受けた! 流れ出る大量の血が彼らの死を物語っていた……

 だが、本当の悪夢はここから始まったのだ。


「幻術はこの程度でいいか?」

「なっ!」


 そこには水でずぶ濡れになった二人を抱えている男がいた。


「うちの息子達が随分と世話になったな、猿柿さんよ」


 二人を殺したはずだった男は自分の名前を呼ばれ青ざめる。それは周りにいた幹部達もだ。


「と、と……時枝脩三!!」

「何だって!!」


 そこにいたのは黒ずくめの格好をした時枝警視総監こと、時枝脩三が立っていた。


「水が好きなようだな」


 にやりと笑ったその顔はとても普段は温厚な父親だとは思えない。それに畏怖を覚えた者達はガタガタと震え始めた。


「命だけは……!!」

「そうだな。だが……」


 大量の水がこの空間に召喚される。そして、それは津波のようなうねりを上げて幹部達に襲い掛かった!


「この空間から消えろ……!」


 断末魔の声は一瞬、幹部達は津波に飲まれたのである……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ