第十六話:戦う決意
白真は怪我をした紫織の傍から離れようとしない、それが義臣の防御策だった。ただし、自分の息子は思っていたよりも行動的で、思っていたよりもバスターとしての血が騒いでいたのだ。
「快、とりあえず紫織は一命を取り留めたようだ」
「そうか、よかった」
翔が書斎で調べ物をしていた快達の元へ告げに来た。しかし、快はあまりホッとしていなかった。紫織は助かっても、翡翠はまだ見つからないのだから……
「それよりお前達、さっきから何調べてるんだよ」
いくつもの書類を引っ張り出して快は何やら調べ物をしている。それに便乗するかのように、掃除屋リストを修もパソコンで検索していた。
「ああ、翡翠をさらった『ブラッド』って奴等を調べてる」
「なっ……! お前達、おじさんから言われただろ! 絶対動くなって!」
「翡翠がさらわれてるんだぞ! 仲間なのに何もせず黙ってみてられるか!」
それは修も同じだった。だからこそ快を手伝っていたのだ。
「あの縄、力を送ればどんどん締まるような術をかけていた。そんな高度な術、一端のバスターに出来るわけがないんだ。少なくとも、親父レベルだ」
「だったら尚更……!」
「無駄だよ、翔」
先程まで紫織の傍に付いていた白真もやってきた。そして、片っ端からファイルを見ていく。
「紫織もやられてるんだ。おじさんがなんと言おうと俺達も戦線に加わる。だけど、行って足手まといになるつもりもない。だから快ちゃんは調べてるんだろ、奴らのこと」
そのとおりだった。自分達の力が通用しない相手だとわかっているからこそ、完璧な作戦が必要だったのた。しかし、翔は反対する。
「それでも俺は反対だ。下手したら俺達がやられるんだぞ」
「やられないよ。俺達はTEAMなんだ。翡翠を取り戻すためなら絶対死なない」
そして快は一つのファイルを机の上に置いた。それは「ブラッド」の本社だった。少なくともこの掃除屋の土地より広い。
「翡翠はおそらくここにいる」
快が指差したのは廃墟となってる倉庫だった。
「相手もTEAMが来ると分かっていて人質を本部内に入れたりはしない。仮に入れたとしても、内部での戦いはこっちのほうが確実に有利だ。父さんが来ることだって予測してるんだろうからな。
万が一本部が崩壊した場合、掃除屋としての機能が戻るのにも時間がかかるし」
「なるほど。だったら、ある程度の広さを持つ場所に翡翠を置いて、そこでおじさんを始末しようって魂胆もありそうだな。結界とかも張ってそうだし」
修は「ブラッド社員名簿」を見つけ出した。どいつも猛者ばかりで並みの使い手など皆無に等しそうだ。
「だが、侵入法はどうする? 赤外線が多数外に張り巡らされているぜ?」
「俺が切るよ」
翔が申し出た。彼こそ侵入に関しては幼いながらもエキスパートだったからだ。
「俺の戦闘タイプなら問題ないだろう」
「……父さんに逆らうのか?」
「ああ、隊長命令は絶対だしな」
四人の覚悟は決まった。全ては翡翠を助けるために……




