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第十二話:全ての始まりの日

 社長室から再び食堂に戻った快は、最後の晩餐に手をつけ始めた。もちろん、修・翔・白真も一緒である。

 そしてさすがは長年の付き合いなのか、好物のビーフシチューを作ってくれるあたり、ここの悪友コックは気が利く奴だ。


「ブラットか……、思い出深いな」

 

 大地が水を注ぎながらに言うと、快はビーフシチューをスプーンで掬いながら答える。 


「ああ、最悪の敵だよ」


 今でも忘れはしない、あの日の出来事を買いは脳裏にめぐらすのだ。


「快、あくまでも冷静にな。お前が取り乱すと全滅するおそれもあるんだからな」


 修は真剣な表情をして快に言う。隊長が弱気では士気にかかわってくるからだ。

 しかし、それは無用といわんばかりに快も答える。


「親父にも言われたよ。だが、お前達は逆に竦むな。

 俺達は強くなった。それだけは事実なんだ」


 

 それは夏の暑い日。小学二年生だった快達の初めて命の危機にさらされた任務であった……


「快ちゃん! 遊ぼう!」

 

 外から元気のいい女の子の声が木霊した。その声を聞き、二階の窓が開けられる。

 そしてその部屋の主は時計に目をやった。まだ朝の七時。今日は日曜日。いかに少年が天才であっても、小学二年生にしては体力がであったとしても、眠い日は眠いのである。


「翡翠、まだ七時だろう……」

 

 黒目黒髪、白い肌、どんな女の子でも必ず彼を見れば好感を抱かずにはいられない容姿。幼いながらも落ち着いている少年は朝早くからの来訪者に起こされた。


「もう七時だよ! 白ちゃんも修ちゃんも起きてくれたよ!」

 

 ダークブラウンの髪に茶色の目。白い肌には人一倍傷跡を作っている。どんな男の子でも必ず彼女を見ればお転婆だと思わずにはいられないだろう。

 しかし、可愛さはその辺の女の子の比ではないことも確かだった。翡翠は二階の窓まで飛び上がり、靴を桟の上に揃えて乗せて快の部屋に侵入した。


「お前な、不法侵入で父さんに言いつけるぞ」

「おじ様は起こして良いって言ってくれたもん」


 不法侵入を認める父親はこのころから健在である。


「ほらほら、早く着替えてよ! 皆待ってるんだから!」


 翡翠は快を囃し立てるのだった。


それでは、恒例の自己紹介です!


『美原 紫織』(ミハラ シオリ)

 白真の彼女で、「ミス・箒星」に選ばれた美少女で才女。そして、翡翠に何かがあれば、クラス中の女子を総動員できる人脈のある人気者。

 快と違って、今まで告白されるのを白真に妨害されたことはないが、絡まれたところには、白真が出てこなかったこともないという・・・・

 部活は空手部。空手三段の実力者だ。

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