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始まりの『ご挨拶』
短編物語を蒐集する『時雨堂』
狭い路地裏の一角に、『時雨堂』は蔦に覆われた壁が目印としてひっそりとあります。
ほの暗い店内には所せましと本が積み重ねてあり、古臭い香りが店内に漂っています。
その奥。
ガラクタなのか、れっきとした由緒あるものなのか分からない、そんなものに囲まれてぽつんと店主が座っているのです。
店主は瑠璃。
お客様が来ようが来まいが、かまわず無造作に積み重ねられた本を読み耽る。
さあ。
お気軽にページをめくってください。
一ページ、一話ですよ。