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カップル?

国也は、亜美に電話をして、加納を呼び出してもらった。

「お父様がね、加納さんは、いい奴だって言ってたわよ」

病院の廊下を歩きながら、亜美と加納は、会話をした。

「それは光栄だね。たまたま君のお父さんの後輩だったから、君のような可愛い子と、こうして行動が出来るんだから、とてもうれしいよ」

加納は、にやけながら歩く。

「行動が出来る?私と付き合えるからじゃないの?」

亜美は、加納の返答に不満を持つ。

「付き合うだなんて、君は、アイドルだし、個人の付き合いは、難しいでしょ」

加納は、気遣ったつもりで話す。

「じゃ、今までのは、私と付き合ってるんじゃなかったら、いったい何なの?私のこと、嫌い?好き?遊びだった?」

加納は、頭を掻き、困った顔をする。

「遊びなんかじゃないよ。そりゃあ好きなんだけど、つまり、その、付き合えるような立場じゃないって言うか・・・」

亜美は、立ち止まる。

「立場も何も、一緒にいるじゃないですか・・・」

ふくれっ面をする亜美。

「わかったよ、さあ、行こう・・・」

加納は、亜美の手をつかんで歩く。

「仲いいね!」

二人の肩を叩いたのは、国也だった。

「やだ、おじさんたら、仲いいね、だなんて・・・」

亜美の顔が、赤くなっている。

「そうですよ、アイドルにスキャンダルは、禁物です」

加納も取り繕う。

「それを、僕に向かって言いますか?」

国也は、加納の肩に手をまわして引き寄せる。

「亜美ちゃん、彼氏に話があるから、先に乃菊のところへ行っててくれるかな」

彼氏と言われた加納は、顔を赤くする。

「おじさん、彼氏だなんて・・・」

亜美も顔を赤くする。

「じゃ、先に、行きます・・・」

亜美は、加納に小さく手を振って病室へ向かう。

「可愛い子だね。加納さん、亜美ちゃんを頼むね・・・」

何年も見てきた亜美を、国也も妹のように思っている。

「頼むだなんて、こうして彼女と関われるのも、大野さんのおかげです。で、用は何ですか?」

加納には、国也に呼ばれたことで、何らかの用があることを予測していた。

「とりあえず、話がしやすい所へ行きましょう」

二人は、ナースセンターの奥にあるフロアーへ移った。


「どうして、あの娘がまだ生きてるのよ」

志野田遊里は、アパートの一室で、テーブルに新聞紙を開き、記事を読んでいた。

「この身代わりになった娘が、邪魔したのね。それじゃあ、この娘を先に始末しなきゃ気が済まないわ。

今度は、この手で、この憎い二人を・・・」

遊里は、新聞紙に赤いペンで字を書く。

乃菊の写真の上に「死ね!」と・・・。


「加納さんに、調べてほしいことがあるんです」

フロアのソファに座ると、さっそく国也が切り出した。

「今回の事件のことですか?」

加納も野菊たちの事件を、新聞で読んで知っていた。

「また悪縁鬼ですか?」

加納は、記事を読んで、普通の事件ではないと酌んでいた。

「今回は、もっと不可解な相手のようです」

乃菊の話では、霧の中から現れる亡霊のような人物らしい。国也は、恨みを持つものがその亡霊を蘇らせて、相手を殺そうとする。そんなことがあり得るのかを探りたいのだ。

「じゃあ、乃菊さんが怪我をする前の事件を調べてから、亡霊の件を探ってみます」

加納の顔の広さと知識の量は、国也など及びもしない。国也にとっては、貴重な友である。

「ただ、危険性が高い事件だと思うから、加納さんも無理しないで、何かあったら必ず僕に知らせてください」

国也も、身近な友人を危険な目に遭わせたくないのだ。

「わかりました。まず、警察の知人を訪ねてみます」

そう言って立ち上がった加納が、国也の顔を見た。

「あ、その前に、乃菊さんのお見舞いに・・・」

加納は、頭を掻く。

「亜美ちゃんの顔を見てからでしょ。どうぞ・・・」

国也は、加納の背中を見送り、立ち上がる。

「また、狙われるんだろうか・・・」

事件が片付いていない以上、そう思わざるを得ないだけに、国也の不安は募るのだった。









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