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独身メンバーたちの時間

「たまには、このメンバーで飲むのもいいんじゃない?」

そう言うジュリアに誘われて、真阿子と亜美が、ダルビーの母である瑞恵の店にやって来ていた。

「そうね、3人は、初めてだよね」

真阿子も歓迎だった。

「貸し切りにさせて頂いたから、遠慮しないでね」

ジュリアは、瑞恵と同じ厨房側で、グラスを用意しながら、飲み物の準備をしている。

「ジュリアちゃん、凄く似合ってるね。親子でお店してるみたい」

亜美は、二人を見ながら微笑む。

「嬉しいは、こんな素敵なお嬢様が、息子のお嫁さんだったら・・・」

瑞恵は、嬉しそうにジュリアの横顔を見る。

「ジュリアが、ここのお嫁さんかあ・・・」

真阿子がジュリアの顔を覗き込む。

「む、無理無理!私なんかが、ダルビーさんのお嫁さんになれるはずがないよ」

ジュリアが、顔を赤くしながら否定する。

「でも、好きなんでしょ、ダルビーさんのこと?」

なおもジュリアの気持ちを確かめる真阿子。

「ええっ!ジュリアちゃん、ダルビーさんのこと好きなの!?」

先に反応したのは、初耳の亜美だった。

「やめてよ、お母様がいるんだから。ダルビーさんは、同業のお友達だよ、さあ、どうぞ・・・」

顔を赤くしながら、二人の前に酎ハイを差し出すジュリア。

「お二人は、彼氏がいるの?」

瑞恵が、ジュリアを気遣って、真阿子たちに話しかける。

「亜美は、加納さんがいるよね」

ジュリアが厨房を出て、二人の横に座りながら言う。

「え、いや、加納さんは、ただのお友達、いえ、お父様の、後輩なんです!」

今度は、亜美が顔を赤くする。

「ただの?・・・で、今日はデートして来たの?」

真阿子が、ここへ来る前に聞いたことを話そうとする。

「やだ真阿子ちゃん!デートじゃなくて、買い物にお付き合いして頂いただけじゃない・・・」

言い訳になっていないような話をする亜美。

「それって、デートじゃないの?」

ジュリアが言う。

「買い物です!」

亜美が突っぱねる。

「じゃあ、次は、真阿子さんね」

瑞恵が気を利かす。

「そうよ、真阿子ちゃんのことが聞きたい!」

亜美が、手を上げて要望する。

「私は、誰もいないよ・・・」

真阿子がそう言うと、ジュリアも亜美も何も言えない。事実二人は、真阿子のプライベートを全く知らないのだ。

「好きな人はいないの?」

代わりに、瑞恵が聞いてみる。

「うーん、いるにはいるんだけど・・・」

真阿子は、そう言って、ウーロンハイを口にする。

「誰?知ってる人?」

ジュリアが

身を乗り出して聞く。

「うーん、知ってるって言えば、知ってるかな・・・」

勿体ぶった言い方をする真阿子。

「言っちゃいなよ!」

ジュリアが言う。

「聞きたい!」

亜美が手を上げる。

「無理だよ。言えるような相手じゃないから」

その言葉に、ジュリアも亜美もドキッとする。

「既婚者?まさか、不倫してるんじゃないよね・・・」

ジュリアが、不安そうに言う。

「してないよ。ただ、好きなだけなんだから・・・」

またも意味深な言葉に、一同、固唾を飲む。

「その人って、社長?加納さんじゃないよね。あ、もしかして、おじさん?」

亜美は、自分の周りにいる男性の名前を言う。しかたがない、亜美には、男性の知人が少ないから・・・。

「・・・」

真阿子の顔色が変わる。偶然ではあるが、本当にその中にいるのか?

「駄目だよ・・・」

ジュリアが、小さな声で言う。

「乃菊ちゃんだよ、あはは」

そう言って、真阿子は、笑う。

「なんだ・・・、ビックリした」

ジュリアは、自分を安心させるために言った。

「やだ、のぎちゃんは、私のアイドルなんだから!」

亜美は、今までの話がなかったかのように、騒ぎ出す。

「ずるいよ、私だって、乃菊ちゃんは、彼女みたいなものよ!」

ジュリアが参戦する。

「まあ、乃菊さんは、みんなに好かれてるのね」

瑞恵が、笑顔で加わる。

「好きなんてものじゃないです。私にとっては、救世主で、ヒーローで、だけど、守ってあげたい大切な人なんです」

亜美にとっては、乃菊は、アニメのヒロインのような存在なのか・・・。

「加納さんより?」

真阿子が聞く。

「加納さんは好きだけど、のぎちゃんは、別次元の相手なんです!」

夢見る少女のように答える亜美。

「やっぱり好きなんだ」

妄想の世界に入っている亜美には、その言葉も聞こえていない。

「私だって、乃菊ちゃんの顔を見ていると、思わず抱きしめたくなったり、キスしたくなったりしちゃうんだ。性別を越えて愛せる女性よね・・・」

ジュリアも目を閉じながら話す。

「でも、近くて遠い存在かな・・・」

真阿子が、そう言って、またグラスを手にする。

「みんな乃菊さんが大好きなんですね」

そう言って、瑞恵が微笑む。以前、乃菊と対面した瑞恵自身も、乃菊の不思議な魅力を感じていたから・・・。

「いいなあ、みおんちゃんは・・・、一緒にいられるんだから・・・」

亜美がため息をつく。

「そうだね・・・」

ジュリアも真阿子も同感だった。


「クシュン!」

乃菊は、くしゃみをした。

「風邪かい?」

国也が聞く。

「誰かが噂してるのよ、私のことが大好きだって・・・」

乃菊が言う。

「・・・」

国也は、立ち止って、背中におぶった乃菊を持ち直す・・・。










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