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真阿子の休日

「真阿子、たまには、お父さんと買い物にでも行ってらっしゃい」

真阿子は、居間のソファで新聞を読んでいた。おやじのように・・・。

「やだよ、お父さんのよそ行き、あの赤い服でしょ。私より目立っちゃう・・・」

真阿子は、久しぶりの連休をのんびり過ごしているのだ。

「少しは、お父さんの相手をしてあげなきゃ、可哀そうでしょ」

母、緑葉は、真阿子が中学校以来、父親と二人で外出したところを見たことがない。もう自立して仕事をしているし、反抗期も過ぎているので、何とかしたいのだ。

「お父さんだって、真阿子と出かけたいって思ってるわよ」

真阿子を動かそうとする緑葉。

「今さら父親と買い物なんて、気持ち悪い・・・」

そう言って、新聞をテーブルに置くと、目の前に父親の稲斗がいた。

「気持ち悪い・・・?」

悲しそうな顔をする稲斗。

「お父さんが気持ち悪いんじゃないのよ。こんな年の娘が、父親と外出なんてってこと・・・」

苦しい言い訳をする真阿子。

「そうか、お父さんと一緒に外出するのが、そんなに嫌なのか・・・」

肩を落とす稲斗。

「それより、何なのその服の色?」

今度は、全身青緑ずくめの装いである。

「気づいたか?新しいよそ行きだよ!」

気づいてくれた稲斗は、嬉しそうに言う。

「当然気づくでしょ。だけど、今度は、なぜその色なの?」

真阿子は、稲斗の極端なファッションに、疑問符である。

「信号機は、知ってるだろ」

稲斗が言う。

「信号機って、道路の?」

真阿子が確認する。

「そうだ。信号機で、赤と言えば、青。あの青は、青と言っても青ではなく、緑色や青緑に見えるだろ、その色だよ。いつも赤ばかりだから、補色がいいんじゃないかと思ってね。ああ、補色って言うのは、赤色に対して・・・」

・・・以下省略。

「それで、その服でどこへ行きたいの?」

真阿子は、面倒くさそうに聞く。

「ショッピングだよ、ショッピング。何でも買ってやるぞ」

そう言う稲斗だが、真阿子も仕事をしている身。休みが少ない分、出費が少なく、小遣いに不自由はないのだが・・・。

「お父さんが、私の欲しい物を買えるほど、お小遣いあるの?」

その通りである。

「そ、そんなに高い物が欲しいのか?ぬいぐるみじゃ駄目か?」

真阿子は、呆れた顔をする。

「私は、子供じゃないんだよ。ブランドの服とかバッグとかでしょ・・・」

顔面蒼白の稲斗。

「いつの間にそんな大人になったんだ・・・」

真阿子は、ソファにもたれかかって、横を向いてしまう。

「いいよ、いい。私がお父さんの服を、コーディネイトしてあげるから」

真阿子は、腰を上げる。

「お母さんも行こう!」

やっぱり、父親と二人で行くのには、やや抵抗がある真阿子は、緑葉も誘う。

「じゃあ、みんなで行きましょうかね」

緑葉も笑顔で同調し、着替えに向かう。


久しぶりである。

真阿子も両親との時間を楽しんだ・・・。

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