新婚旅行出発!
スケジュールの都合で、結婚式後に休日を作り、乃菊と国也、みおんと田沢の新婚二組は、二泊三日の新婚旅行ツアーに参加した。
乃菊とみおんは、出来る限り大人少女のメンバーらしくないメガネをかけたり、髪を縛ったりして、インテリ女子風の様相で、それぞれ国也と田沢にくっついている。
4人は、ツアー会社の担当者に、一番後ろの座席を要望して、一緒に座れるようにしていた。女性二人を挟んで、国也と田沢が窓側に座った。ここなら、みんなにはあまり見られず、様子を見ながら旅行が出来る算段だった。
「ねえ、みおん。あの二人も新婚なんだよね?」
乃菊は、少し前に並んで座る、年の差のあるカップルを見て聞く。
「そりゃあ、新婚さんのツアーだから、そうだよね。ふーむ、30代と60代かな・・・」
新婦が30代で、新郎?は、60歳をはるかに過ぎているように見える。その斜め後ろのカップルが、指をさして年の差カップルの話を、ヒソヒソとしているようだ。
バスは、名古屋駅のターミナルを出発し、名神高速を西へ向かった。
「年の差なんて、関係ないよね。好きだったら、おじいちゃんだっていいよね」
乃菊は、歳の差カップルを好奇の眼で見ることが気に入らないようだ。
「そうだね、私たちだって、歳の差カップルだもんね。決して悪いことじゃないし、愛に年齢なんて関係ないから、偏見で見るのは、おかしいよね」
みおんも同感である。
「私は、おばあちゃんになっても、国也様を愛してるから・・・」
乃菊が意気込む。
「ちょっと、それと年の差とは、違うんじゃない?」
国也と田沢も頷く。
「そうかなあ?まあ、国也様がおじいちゃんだったとしてもってことで・・・」
乃菊は、ペロッと舌を出す。
♪ 右にいるあなたは 私の愛する人? 生まれた場所は違うけど
すぐに泣く私は あなたを邪魔する人? ホントの想いを叫びたい
舞台で踊る小熊のステップを 笑う人にはならないで 私が小熊だから・・・
水色のフリルのスカート ピンクの大きなリボン
真っ赤なハイヒールとネイル
似合う? 似合わない? 答えなくていいけど わらわないで
アイドルなんて窮屈だけど アイドルだからあなたに見てもらえるの・・・
ぎゅっと ぎゅっと 握る手は 可愛い小熊のぬいぐるみ
ぎゅっと ぎゅっと 抱きしめる 小熊と私が イクスチェンジ
抱いて ベッドの上じゃないけれど・・・♪
順番で回ってきたカラオケで、乃菊たちは、4人で大人少女23の曲を歌った。
「本物みたいじゃない、歌声だけは・・・」
拍手をもらう乃菊たち。歌声は本物だが、地味な服装、メガネをかけた鵜方などを見て、本物のメンバーだとは、誰も気づいていないようだった。
「こんなところで歌うと、緊張するね」
乃菊とみおんは、前のカップルにマイクを渡しながら、にこやかに話をする。
「国也様も、田沢さんも、グッドコーラスだったよ」
二人の顔を見ると、顔を赤くしていた。乃菊たちに比べたら、慣れない作業だったのだろう。
「次は、デュエットしようか?」
乃菊が国也に話しかける。
「却下!」
国也は、手を合わせてお願いをする。
「嫌なの?」
乃菊が詰め寄る。
「嫌とかそういうのじゃなくて・・・」
国也は、窓際に寄って行く。
「ごめんなさい。二人の時でいいよ」
乃菊も追うようにお尻を寄せて行く。
「仲良くしなさいよ」
みおんが乃菊に言う。
「仲いいんだもん。ねえ、国也様!」
乃菊は、国也の腕にしがみつく。みおんたちは、それを見て笑っている。
新婚カップルたちを乗せたバスは、滋賀県へと入って行く・・・。




