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秘密の結婚式

花丸の26日がやって来た。

ジュリアや亜美が準備した乃菊と国也、みおんと田沢、そして、乃菊の希望で実現した夕衣と雄平の三組合同の結婚式の日だ・・・。


「本当に、結婚してもいいのかな?」

控室では、乃菊のウェディングドレス姿が完成していた。

「いいんだよ、乃菊ちゃん。世間は関係なく、乃菊ちゃんと国也の二人が、お互いを信じ合えば、きっと幸せになれるし、乃菊ちゃんは、幸せにならなきゃ・・・」

雲江が、優しく乃菊の手を握りながら話す。

「お母様、ありがとうございます」

乃菊は、涙を流す。

「何だか、私が乃菊ちゃんの母親みたいだね」

雲江も涙を流す。

「そうですよ。国也様のお母様でもあり、今までずっと私のお母様でもあったんですから・・・」

乃菊も手を握り返す。

「ありがとうね。でも、今まで通り、雲ネエでいいからね、これからもずっと・・・」

「はい・・・」

雲江は、ハンカチで乃菊の頬を拭く。

「ところで、国也様は・・・?」

・・・。


「もうそろそろだな、みおん・・・」

もう一つの控室では、みおんと田沢が式の開始を待っていた。

「お姉さんの分まで、羽流希さんと幸せになる・・・」

みおんは、姉の葬式での田沢の涙を思い出している。

「あの時、私が羽流希さんを笑顔にさせようと思って、ずっとそばにいたんだ。だから、必ず幸せになる・・・」

みおんは、田沢のタキシード姿を見ながら思う・・・。

「そうだね。今度、二人で報告に行こう」

コクリと頷き、涙を流すみおん。

「コラ、泣くな。これからだぞ、式は・・・」

田沢がハンカチを渡し、みおんが涙を拭く。

「嬉し泣きだから・・・。それに、まだまだ障害があるのもわかってる。でも、今日だけは・・・」

また涙を流すみおん・・・。


そしてもう一組、式を待つカップルがいた。

「ダイコクさんと乃菊ちゃんには、本当に感謝しなきゃね」

三嶋雄平が、ウェディングドレスを身に纏った夕衣に話しかける。

「そうね。今日のことだけじゃなく、ダイコクさんも乃菊ちゃんも、私たちを結びつけてくれた恩人ですからね・・・」

夕衣は、出会った頃の国也や乃菊を思い出している。

「君が遠慮したから、こんな素敵な姿を見れるチャンスが無いと思っていたけど、あの二人が勧めてくれたから、こうしてここに居るんだから、本当にありがたいよ」

雄平の嬉しそうな顔を見て、夕衣も笑顔になる。

「私も、本当は、あなたとちゃんと結婚式がしたかったから、嬉しいわ・・・」

二人は見つめ合い、手を握る。


「そろそろお時間ですので、会場の入口まで・・・」

係の女性が、新郎新婦を迎えに来た。


式場には、国也と乃菊の親として雲江、田沢の両親とみおんの両親、夕衣の叔父と雄平の妹、成宮優香が前から座っている。

そしてその後ろに、真阿子とジュリア、反対側に亜美が座っている。

「加納さん、主役は、新婦の三人ですから、たくさん撮ってくださいね」

国也が、撮影担当の加納に、念を押している。

「わかってますよ、大野さん。それより、控室に行かなくていいんですか?もう始まる時間ですけど・・・」

加納は、時計を見て言う。

「それから、集合写真もお願いしますね。式場のカメラマンを頼んでないって言うことなんで、一杯撮ってください」

国也は、乃菊たちのウェディングドレス姿を、たくさん写真に残したいのだ。

「そんなこと打ち合わせで聞いてますから、大丈夫です。乃菊さん待ってますよ」

加納も緊張しているから、準備万端にすることで、頭が一杯だったのだ。

「おじさん!主役がどうしてこんなところに居るんですか!」

亜美がやって来た。

「あ、今行くところだよ。亜美ちゃん、ありがとうね」

国也は、ただただ感謝する。

「大野様、始めますので、新婦様のところへお願いします」

係の女性が、国也を捜しに来たのだ。

「ほら、早く行きなさい!」

亜美と加納に追い払われるように、国也は、係の女性について行く。国也自身、当然初めての経験なので、ただ落ち着かないのであった。


「新郎、新婦のご入場です」

扉が開いて、田沢と乃菊、雄平とみおん、そして、国也と夕衣が、それぞれ腕を組んで式場へ入って来る。

皆、各々の事情を抱えているため、こうした趣向での入場で、新郎新婦たちがバージンロードを進む。

そして、列席者の横まで来ると、男性陣が先に前へ出て、その後、国也のところへ乃菊、雄平のところへ夕衣、田沢のところへみおんが移動する。

牧師が、三組を祝福し、誓いの言葉、指輪の交換、結婚証明書の署名と続く。

そして、誓いのキス。

田沢とみおん、雄平と夕衣がキスをする。そして・・・。

「今日は、挨拶じゃなくて、本気でします!」

最後に国也と乃菊の番が来ると、急に乃菊が高らかと宣言をする。

「えっ?」

戸惑う国也をよそに、乃菊が、国也の首に手を巻きつけ、口づけをする。

「やったあああ・・・!」

乃菊が両手でガッツポーズをすると、拍手喝采を浴びる。国也は、ただ、顔を赤くするだけだった。


挿絵(By みてみん)


ちなみに、ブーケトスは、三組だったので、ジュリアと真阿子、そして亜美の三人が、無事受け取ることが出来た。


乃菊の夢であった、国也との結婚。こうして実現はしたものの、新たな試練が待っていることは、乃菊自身も覚悟していた。


でも、今日だけは・・・。



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