リアル=リアル6
恋
僕が死ぬ気で頑張っても君には及ばない。
だけど、君がどう足搔いたって僕を殺すことは出来ない。
矛盾のようで矛盾じゃない僕達はまだまだ進化する。
【最強ダッタ頃ノ栄光】
あの彼女を誘拐する死亡フラグを立てて現在も行動する僕。
一軒の荒屋で身を隠していた。
昨日寄った自情報屋によると、僕の首は先日までの賞金×百倍の
途轍もないお金がかかっているようで―。
獲物を狩る豹の立場から豹に狩られる獲物となってしまったようだ。
『週刊:情報屋の集い』というネーミングセンスがイマイチな雑誌を手に取る。
その一角の小さいコーナに〈今週の最新賞金首〉の欄。
『ランキング第一位、STEPか…』
それは掃除屋を始める前に勤めてた会社での名前だった。
闘えば闘うほど強くなる。と仲間に言われていたっけ?
会社と言ったものの、本質的には過度な掃除屋といったところ。
殺人鬼や脱獄者で構成された危ない危ない会社だ。
まぁBorBのせいで崩壊してしまったけど…。
【泣イタ殺人鬼ノ癒エナイ心】
未だに目が冷めない彼女。
まるで死んでいるかのように眠る彼女を見ていると無性に眠たくなる。
目が冷めても逃げられないよう鈍重な足枷をつけておいた。
こんな事までして僕に何の利益があるのだろう。と、思いつつも彼女の看護をする僕。
少し休憩するために給水所に向かう。
『STEPか…』
この名前さえなかったら…。
モヤモヤとした気持ちが全身を満たす。
カップに注いだコーヒを一気に飲み干した。
苦い…。
ツゥと涙が頬を伝わる。
この辛く苦い気持ちは何なのだろうか。
心