リアル=リアル11
鬼
【帰宅】
妹と手を取り合い家に帰った。
僕が掃除屋を始める前、
殺人鬼を始めた頃の―。
その時飛び出した家。
何年ぶりだろう。
『じゃ、私お風呂入ってくるねー』
いろんな事があって今に至る。
言い包められ此処に三週間滞在することに。
もちろん、状況は椿達に伝えてある。
脱衣場からノリノリの鼻歌が聞こえた。
『悪夢ちゃん。ナガブロは止めてくれ。僕も入りたいから』
一緒に入ればいいじゃん―と、妹。
アホか。
『えー、何でよー。兄ちゃんの変態ー』
何で変態なんだよ。
変態はお前だろ。この痴女め!
あっと…、さすがに言いすぎか?
失言失言。
暫くすると妹が風呂から上がってくる音が聞こえた。
『悪夢ちゃん、全裸でお風呂から上がろうとしてないよね?』
声のトーンが落ちて、如何にも
あ、バレたか―。みたいな雰囲気だ。
…まぁそうだと思ったけどね。
【露出狂モドキ】
バスローブを纏った妹と、冴えない寝巻きを着た僕。
『なぁ悪夢ちゃん。その服装は誘ってるのかい?』
彼女はニヤニヤニヤニヤ、
ニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤと笑みを浮かべながら、
そうだよ―。と、彼女。
あれ?僕の妹ってこんなにエロかったっけ?
『それでもだね、悪夢ちゃん。露出は控えようぜ』
それは兄である僕の本心による考えだ。
こんな露出狂もどきの妹なんて要らねー。
―この三週間、いろんな事がありそうで怖い僕であった。
人