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初
勝
ちょいと、暇だから公園を歩いていて、
面白いこともないから転がっていた空き缶を蹴った。
―勿論、転んでしまう訳で。
―顔面強打する訳で。
―小学生のガキ共には笑われてしまう訳で。
―彼女には振られてしまう訳で。
最後のは嘘だけど、なんだかツイてない一日。
一日って言ってもまだ十時だけど・・・。
だけど今日はツイていないような気がする。
そう、なんか嫌な感じがする。
ネガティブな発想が耐えない脳に苦笑しつつ、ベンチに腰掛けた。
このベンチってこんなに低かったっけな?
孤児院育ちの僕。
肉親は遠の前に死んだらしい。
世界の秩序が僕を壊していた昔の昔。
まぁまぁこんな話をしても心が満たされるわけじゃないし
もういいか―。
考えるのは性に合わないから、また歩きだす。
簡単なバイトを始めた矢先
銀行に一千万円振り込まれていた。
人殺し職ってそんなに儲かるものなのか?
たったの一人、殺しただけで一千万。
最近始めたバイト。掃除屋。
ちょっと大きな王国の中で汚れたゴミを掃除する。
青空を見上げた僕の瞳は思い光を帯びていた。
負