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Another world/Another HEARTs  作者: sakuya-konoha
学園の貴公子編
9/11

5話 似たもの同士

 今回はサクヤちゃんが大人っぽく~


 「で、落ち着いたか?・・・」


 「う・・・うん」


 先ほどのそう動から一段落し、今は部屋に戻ってきている。・・・わたしの顔の温度はずっと高いままだ。だいたい、今まで男の子と話したことなんて両手で数えられるほどだったし、わたし自身が男の子から逃げてたんだから、男の子に耐性なんてまったくないし・・・そ、それなのにまだ会ったばかりの人には、裸を見られるなんて・・・


 「あうう・・・」


 意味もなく声がもれてしまう・・・机につっぷしたまんまのわたしはまともにイクト君の顔を見れない・・・。


 「・・・そろそろ、顔を上げてくれないか?その、気配を消して近づいたのは悪かった。」


 ・・・それにしてもあそこまで奇麗に気配を消さなくても良いのに・・・後少し気配があればたぶんわたしも感知できたのに・・・って、え?そういえば何で気配が全くなかったんだろう?普通、わたしなら、あれくらいの距離なんて余裕に感知できるのに・・・

 そう思ったわたしは顔を上げた。


 「・・・・・・ねえ、イクト君・・・」


 「な、なんだ?」


 わたしは、クスリ、と笑ってしまう。よし、もういいや。いつまでも恥ずかしがってたってしょうがないし!それに、いまの少しうろたえてるイクト君もなんか新しい魅力にあふれていて、かわいい感じがするし・・・・・・こうなったら、感知できなかったわけとか全部聞いてやるもん!!


 (ふふっ。成長しましたね。サクヤ。わたしも彼のことは気になってきましたし、聞いてしまいましょう。)


 (お~!)


 「ねえ、イクト君。わたしが女の子だというのは目に見えて分かることだからこの際おいておくとして、・・・どうしてかな?あの距離でわたしが近づいてきた人間を感知できないわけがないんだけど・・・・・・ズバリなにをしたの?あの時」


 するとイクト君はものすごく困りましたって言う顔をした。・・・それにもまたかっこよさが・・・

 でも、返ってきた言葉は意外なことにシビアだった。


 「すまない。それは言うことができない。」


 「え・・・」


 なんで?言ってくれても良いのに・・・・・・そう思うわたしは、こうなったら絶対に言わしてやる!っと心に誓う。

 そう誓ったわたしは、目に手をやって泣くまねをする。


 「・・・っっぐすっ、ひ、ひどいよ・・・わたしは・・・体を全部見られたのに・・・・・・そ、それなのに教えてくれないなんて・・・」


 「え?あっ、そ、その・・・」


 おもしろいようにうろたえてるイクト君。追いうちをかけるぞ!


 「・・・ど、どうせあれでしょ・・・今回はいたずらでたまたま女の子の体みれてラッキーだったけど、次からは毎回みれるしね・・・どうせ、教えてくれないのは次の時に見てるのがばれたらまずいからでしょ?もう・・・ひどいよ・・・・・・」


 「うええっ?な、なんでそうなるんだ?」


 もはやクールな彼はどこやら、すばらしい反応をしてくれる。


 「・・・そっか、わたしは騎士になると言う夢をあきらめて女の子として生きていかないと、毎日イクト君の慰めものになっちゃうんだよね・・・それでいつかはそのままカプリとイクト君のものにされると・・・・・・」


 「・・・い、いや、どんな未来だよ・・・ああ、もうわかった全部話せばいいんだろう?」


 「え?うん、まあそうしてほしいかな・・・・」


 作戦成功!意外とイクト君はこの手の話に弱いみたい。・・・言ってるわたしの顔も真っ赤っかだけど・・・・・・

 イクト君は一度大きくため息をつくと、たんたんと話し出した。


 「・・・まず始めに言っておくと、オレは男なのにある属性魔法が使える。それは、生まれたときからだ・・・」


 「え?属性魔法が?」


 わたしは少なくない驚きを得た。・・・わたし以外にもそんな人がいるなんて・・・。


 「ただ、それはオレの種族キャルット族ではめずらしいことじゃない。キャルット族は人数が少ないながらも、その特性で生き残っているから。・・・・・・ついでにこの猫のような耳も、キャルット族の証のようなものだ。」


 「へー・・・。そのねこ耳は遺伝なもので、証と・・・・・・そっか、ねこ耳の人はあまり見なかったし・・・」


 「ああ、そうだな。」


 ・・・・・・ん?まてよ・・・ってことは・・・


 「ねえ、もしかしてこの国のどこかにねこ耳の人たちの村があるってこと?」


 うわい!いってみたいな・・・ねこ耳天国っねこ耳天国っ!

 でも、そんなわたしの思いとは裏腹に、イクト君の顔はとても険しくなった。彼のその目は暗く、奥には静かに真っ黒な灯をともしている。それは、そう、復襲の目。自分の命に代えてでも何かを傷つけて、めちゃくちゃにしてやりたいという暗い望みのこもった目だった。そんな目を見たわたしの胸がきゅっとなる。わたしも、もしかしたらそうなってたかもしれない・・・少し道を違えていたら・・・もしも、アルフィに出会っていなかったら・・・わたしも、多分そんな目をしていたんだろうな・・・と、考える。

 わたしはその考えに至ったとき、胸の奥がとても熱くなったのを感じた。わたしが今まで一度も・・・一度たりとも味わったことのない感覚。それは胸のおくからわたしの心に、何か、とても温かな感情をあたえる。ただ、そこに感じると心地よい・・・今、わたしのイクト君に対する気恥ずかしさや、その他の一歩引くような感情は心の中から消えていた。そして、残ったのは純粋な彼を知りたいという気持ち 人はこの感情をなんと呼ぶのかは知らないけど、わたしはこの名もない感情を大切なものだと無意識に知った。

 そして、イクト君が語り出す。


 「なあ、サクヤはオレの他にオレの種族・・・キャルロット族について聞いたことは?」


 「一度も・・・」


 「そうだよな・・・。」


 そして黙り込む彼。わたしの心は焦りだした。今彼に言ってもらわないとわたしは一生彼のことを知る機会をなくす・・・そんな気がした。そして、わたしの口は驚くほど自然に動き出す。


 「ねえ、イクト君。話しにくいことなんでしょ、そのことは。でも、イクト君はわたしに裸を見たということへの罪悪感だけで話そうとしている。そうだよね?」


 返ってくるのは首肯。


 「なら、こうしてほしい。わたしも今からわたしについてのことをすべて話す。まあ、正直言って、あって数日もたってない人に話すことじゃないことをだけど・・・でも、もうあなたは少し知ってしまったわけだし、それにわたしたちは2人で過ごすことがこれから必然的に多くなる。だから、あなたは決めて。わたしが自分について話すのを聞いてそれから自分のことを話すか決めて。いいかな?」


 「・・・わかった。」


 彼の目から復襲の色が消える。わたしはそれを確認してから語りだした。


 「まず、わたしという人については正直言って信じられないことが多くなると思うけど、聞いててね?えーと、第一にわたしはこの世界の人じゃありません。本来は、とある世界の・・・魔法なんて無い世界の人間だった。でも、そこにあったのは、わたしにとって地獄の日々。四六時中他人に虐げられて、ごみあつかいを受けてた。そしたわたしは耐えられなくなって、お月様・・・空に輝く大きな星にもうこんな世界なんて嫌だって叫んだ。するとわたしはこっちの世界にいた。でも、わたしは最初から以前の記憶を持ってたわけじゃないの。イクト君は、アートレッドに長男に当たる子が居たのは知ってるかな?・・・知ってるみたいだね・・・まあ、ぶちゃけていうとそれがわたしだった。・・・でも、あの日・・・わたしが6歳になった日、わたしは選定の儀を受けた。そしたらもうびっくり・・・魔法を使い始めるとわたしは段々女の子になっていって、記憶も、戻ってきた。だから、わたしはこの家で幸せになれると思ったんだ。・・・でも、待っていたのはつらい現実で、わたしは親に捨てられた。それからわたしは自殺もした。でも、そのあとはとあるドラゴンに助けてもらっていま、わたしはここにいるの。その・・・だからわたしが騎士になりたいって言うのは、父さんに認めてもらうためなんだ・・・・・・ってゴメン。長かったかな?」


 わたしはついに言えたと心の中で安堵をもらす。目の前の彼は、決意をこめた顔でこっちを向いた。


 「そうか・・・お前は復襲しないのか・・・」


 「うん、復襲するのは、だれにでもできるけど、認めるのはだれにもできることじゃないから・・・」


 するとイクト君は大きく目を開いた。・・・大驚きしてる。

 ・・・・・・ああ、彼も準備万端。そして口を開く。


 「ああ、そうか・・・なら、オレのも言った方がいいのかな?

 ・・・まあ、とても暗い話だけど・・・」


 彼が語り出す。


 「最初の日、いや、オレの最初の記憶にあるのは「火」。真っ赤に燃えた火だ。・・・オレは後にこれが村の焼けた火だと知った。でも、その時に起きたのはオレの一族を完全に根絶やしにする戦い・・・捕らえられればなぐさみ者に・・・それか死人となる。 あの時の敵は、今もどこかで生きているが、おそらくオレらの魔法が怖かったんじゃないかと思う。けど、その時におれたちの仲間がドンドンへった。いや、正直、村は残りがオレと爺さんと・・・後2人でしかない。つまりオレは偶々生き残っただけ。それも、敵の見えないところに隠されて居ただけだ。だから、オレはいつか見つけたいんだ。その犯人を。そして、復襲するんだ。あの時何もできない赤んぼうだった者に殺されるという犯人にとって屈辱であろうことをしてやる。」


 わたしの心に稲妻が走った。かれが・・・話してくれた。わたしの心を喜びが満たす・・・


 「そう・・・なんだ。・・・やっぱり、そんな目にあってきたんだね・・・。」


 わたしの心は、また、また強くうずき出す。

 だから、気づかなかった。わたしが、彼をいつの間にか抱きしめてるなんて。


 「イクト君。わたしたちは、似たもの同士。やり方は違っても、昔の傷へ何らかの「復襲」をしようとしてる・・・わたしは、あなたのように人をうらんだりする強い心を持ってないから、そんなことしたら自分を保てないから、認めてもらうと言うことを目指してる。さっきは復襲はしないって言ったけど否定させてもらうね・・・。あなたの話を聞いて、これはわたしの復襲の形だって思ったから。・・・わたしを虐げてきた人たちにわたしがだれよりも幸せになるってことでの・・・ そしてあなたは、その一族の家族を殺されちゃったことへの復襲。どっちも、一つのことへの強い執着で成り立ってる。・・・ふふっそう考えるとわたしたちって似たもの同士みたいだね。」


 「・・・そうだな・・・全く、結局こんなことまで話しちゃったか・・・まあいいか。とりあえず、オレたちがこれから共にこの学園で暮らしていくのに一番ふれあう機会が多いのは本当だし、だれかと秘密を共有できるのは、その、楽だ。」


 彼が笑う。それは月夜に輝く一筋の光のようで・・・


 「改めて言うよ、サクヤ。これからいろんな所でオレはお前の世話になると思う。だから、よろしくたのむ。」


 さしのべられる手。わたしはその手を強く握った。


 「うん。よろしくね、イクト君。」



   ***



 「ところで、その・・・サクヤ、少しはなれてくれ。・・・胸が、あたる・・・。」


 「ふえ?あっ・・・・・・」


 「あのな、自分が女ってことを自覚してくれ。せめてオレと2人で居るときは・・・」


 「ううっ・・・///」


 end

 ううっ、自分の才能のなさに死にたくなってきました・・・

 みなさんすいませんです・・・


 あ、あとそれに加えてお知らせです。

 私sakuyaは、まごうことなき受験生です。わたしの駄文を読んでくださる方が居ることは重々承知しております。しかし、受験は早々あまくないもので・・・国立、私立最難関を受験する身としては、そろそろ小説格のも厳しくなってきました。よって、12月25日に最後にして2月17日まで休載します。わたしなんかの作品を読んでくださる方々、本当にすいません。でも、受験が終われば自由の身。その後は、毎日更新していきたいと思っています。どうぞ、なにとぞご容しゃを!!

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