TASP007
はいどーも、えらいことに更新するまでの間に年越してましたね。
今回は母の実家に帰ってたのでお年玉がっぽりです。(自分からは絶対あげない)
本編だと、時間かけた割にいつもながら内容は薄いです。
(いっそあらすじにも書いておこっかなぁー)
北の大陸 最北端の町、グラス。
「………………」
「だからいつまで落ち込んでるのよ。
いい加減こっちまで暗くなってくるわ」
「……ごめんなさいぃ……」
万年雪が降る(らしい)街、グラスのとある宿屋、その一室のベッドに座り込み、雪山のフィールドで会い、ほとんど奇跡でモンスターから逃げ切った仲である、この世界ではかなり少ない女性プレイヤー、アスカに慰められているのは、ほかならぬ俺である。
ナゼ、こんなに俺が凹んでいるかというと……
「まさか剣を取りに言ってくれてたとはねー。
しかも、それをホビットにとられて、1時間以上も追い回した挙句、ホビットを倒して剣を取り返したのがアイシクルリザードの巣のど真ん中って……」
本当に泣きたくなってくるほど不運な話だ、(もう半泣きだが)しかも、アスカはあの剣と見た目も性能もほとんど同じの剣を、3本ほどストックしていて、すぐにそれに持ち替えていたのは、この街で再会して最初に気づいた。
「まーよく生きてたわね、ソコはほめてあげるわ」
「もう、やめて……虚無感が増してくだけだから……」
ちなみに、リザードたちは、逃げて逃げて、他のモンスターの集団とぶつけさせて、ゴチャゴチャしてる間に、思いっきり脱走してきた、ちなみに、何のモンスターと遭遇したかは覚えていない。
つーか確認するヒマねーよっ!
「――――――で、あなたはこれからどうするの?」
「俺?俺は……さしてやることもないしなぁ……てか、ここがどこか知りたいね」
「ああ、そんなこと?なら、地図貸したげる」
「おお」
そうして、手渡された地図をを見て、俺はこのゲーム何度目かの驚きの声を口にした。
「なんじゃこりゃ!」
それは、このゲームが正常だったころの地図とは、大きく変わっていた。
凸凹の円ではなく、現実にたとえるなら、南アメリカのような形だった。
しかも、地図の通りなら、大陸の半分ほどが山に埋められている。
見渡す限りの平地だった元のフィールドとは、えらい違いだ。
「ど、どういうこったこりゃあ……」
「どーもこーも、その通りよ。
プレイヤーの恐怖感を高めるためかどうかは知らないけど、正常だったころのフィールドとは、別の場所にいるようね。しかも、それがいくつもある」
「え、なんでわかるんだ?まだ他の大陸の地図があるのか?」
「いいえ、ないわ」
その言葉に思いっきりずっこける。
「……じゃあなんで分かるんだよ」
「大きさよ」
言葉の意味がよく飲み込めないが、無視して続けた。
「今生き残ってるのが1万5千人ちょっとでしょ。それだけのプレイヤーがいたら、こんな小さな島、プレイヤーで沈んでるわよ」
「な、なるへそ。沈む、ね……」
アスカの少々オーバーな解説に、どう返答するべきか迷ったので、やむなく話題を変更する事にした。
「じゃあ、この大陸には、一体何人ほどがいると考えてるんだ?」
「さあね、ただ、ここは、北の大陸といわれてるみたいだから、必然的に東と西、南もあると見ていいでしょうね。
1万5千分の4とすると、ひと大陸に3750人程がいる計算になるわね」
「い、1万5千÷4……えーと、3……6…じゃ無くて、7…5…おお、当たっている」
俺が一般的に見たら当然のことに驚くと、アスカは心外だ。とでもいいたげに、鼻をならした。
「フン、このくらいとーぜんでしょ。
ま・さ・か、この程度も分からないなんて言わないわよね?」
「え?言うよ?」
すると、頭が痛いと言わんばかりに手でおさえ、うなだれた。
「……こんな(アホ)に助けられたかと思うと死にたくなってくるわ……」
「んん?『こんな』と『に助けられた』の間、なんていった?」
「何も言ってないわ、忘れなさい。
ともかく、私が言いたいのは、一つの大陸に少なくとも3500人以上はいることが分かったんだから、この大陸の首都に行けば、誰かしら人に会えるって言いたいの」
「何?この大陸の首都行って、誰かほかの人に会うのは、何かメリットがあるんだろーな」
するとアスカは、『まさかこの程度も分からないのかこのグズは』とでも言いたげなしかめっ面をたっぷり5秒近く俺に浴びせた後、一瞬、ほんの一瞬だけ、嫌な事を思い出したように苦い顔をしたが、すぐに元に戻ると、解説を始めた。
「そりゃあ、同行できる人は多ければ多いほどいいでしょう、少し疲れたし、休みたいのよ、私は」
「ホントに休めるかな?」
「? どういうこと?」
解説から疑問に顔を変え、尋ねるアスカに、不敵に、真剣みを帯びた声で告げた。
「この世界では、PKが可能なんだぜ?」
「……!」
PK、プレイヤー・キルは、名前の通り、モンスターではなく、プレイヤーを殺す行為である。
しかし、デスゲームと化したこの世界では、プレイヤーを殺す事には、1つのデメリットと、2つのメリットがある。
まず一つは、デメリット、それは、当然だが、攻略に参加するプレイヤー数が減る。それは明確に、攻略の難易度が上がることを意味する。
そして、一つのメリット、それは、経験値である。
このゲームは、レベルは20までは簡単に上がっていくが、それからは上昇率が極端に落ちる。
しかし、プレイヤーを殺せば、たとえ駆け出しのプレイヤーでも、経験値的には、中ボスと同レベルの価値があるのだ。
そして二つ目は、アイテムである、殺されたプレイヤーのアイテムは、10分間、その場に皮袋となってフィールドに放置され、一番最初に触れた物がそのアイテムの所有権を獲得する。
単純に言えば、殺した相手のアイテムは全て持ち帰れるのだ。
さらに、PKを後押しするかのごとく、そのアイテム達は、『皮袋』というアイテムとなり、開かない限り、たった一つしかアイテム要領を圧迫しないのだ。
「でもそれは……」
「まぁ、確かにリスクはあるけどな、先の三日間のゲームで、強力な武器を手に入れた奴なら一回くらい……と、考えるかもしれんだろ」
因みに、今俺が言ったリスクというのは、大きいようで、時として小さいリスクである。
オプションメニューには、もともと『イエロー・リミッター』というものがあり、コレを解除すると、パーティ以外のプレイヤーを攻撃した際に、ダメージを与えられるようになるのだ。
そして、このデスゲームと化して、新しく作られたのが、『クリミナル・リミッター』である。
『クリミナル』とは、英語で犯罪者の意味であり、コレを解除してしまうと、解除中は、そのプレイヤーは、死神属性。つまり、キルビスと同じ力を得てしまうのだ。
要するに、その状態ならば、人を殺せるのである。
ただし、それと同時に、リスクが付き纏う、それは、『|コンペティション・キルビス(死神の代償)』である。
これが発動するのは、『クリミナル・リミッター』が解除されたプレイヤーが死んだとき、そのプレイヤーを、現実の世界で、半永久的に植物状態にする。つまり、殺すのだ。
しかし、『クリミナル・リミッター』で人を殺し、そのあとリミッターを解除することはできる。そうすれば、自身が死ぬ可能性は、かなり減らすことができるのだ。
無論、自身が相手にさえ殺されなければ、いつまでもリミッターを解除していても大丈夫ということだ。
誰よりも強くなったプレイヤーが『クリミナル』を解除したら……と考えた節もあったので、先の三日間のゲームで、俺は即座に狩りに出かけたわけだ。
「と、まぁ、問題点を指摘したわけだが、どうかね?」
正直、先のリザードたちとの戦闘の疲れ(といっても精神的なものだが)がまだ抜けきっていないので、すぐにここを立つのは遠慮したいわけである。
が、しかし。
「問題ないわ」
「え?」
「PKに出くわす程度なら問題ないわ」
「はあぁ!?」
いきなり予想外。ちなみにこのとき、俺の脳裏には「えー何それめんどくせぇー」の言葉が無限ループしていた。
「と、言うか、何で問題ないんだ?
殺されたら終わりだぜ?」
「殺されなければいいんでしょ?」
「もちろん」
「なら大丈夫」
「だからどーいう理屈なんだあぁぁ!」
「いざって時にはあなたを盾にさせてもらうわ」
「俺はオトリか!?」
「いいえ身代わり」
「同じじゃねーかあぁ!」
もう何回叫んだか忘れた。ゲームでストレス溜めさせんじゃねぇ。
「ちなみにここから首都までは約10キロほどありますからね」
「俺は付いていくこと確定ですか。トホホ…
もーいいや、 その首都って名前何?」
すると、調べていなかったのか、地図の白い点たちの中で、首都を示す赤い点をタップした。
「名前は、タートルスネークね」
「亀蛇?それってどっかで……」
そもそも、地図の道の名前などの固有名はアルファベット表記のはずなのに、すらすらというとは……
「思い出した!玄武よ!」
「ゲンブ?」
「ええ、玄武、中国…だったかしら、それの冬の神様よ」
ちなみにその後の説明は。
玄武とは亀の胴体に蛇が巻きついた北の神様であり、他に玄天上帝、真武などの読み方があるそう。
「ほえー、社会のテストに出るかね?」
「これを現実に生かしたいなら、一刻も早くこの世界を脱出することね」
「ソウデスネ」
「ということは、他の町は朱雀や青竜、白虎と麒麟にちなんだ名前が付いてるはずよ」
ちなみに、朱雀は南。青竜は東。白虎は西。そして麒麟は中央の神様だそうです。(wiki参照)
「ん?ちょっと待て、麒麟がいるなら中央にもう一個大陸があるってことか?」
「あ……」
「え……」
「なんであなたまで驚いてるのよ。
……まぁ、私も自分で麒麟の名前出しておきながら気づかなかったわ」
「いやー、キリンの名前が出た時点で気づいてるかと思った」
正直「いまさら気づいたの?」と蔑まれるか罵倒されるか呆れられるかどれかだと思ったのだが。
「今は…18時ね。いまさらこの町を出ても、隣町にもつけないわ。出発は明日にして、一日で首都までいくわよ」
「ええ!?」
「日の出と同時に発てば日没までにはつけるわね。エンカウント数しだいだけれど」
「日の出って……何時?」
恐る恐る聞くと…
「明日は……4時半位からね、がんばって」
「………俺、朝は平均9時起きなんですけど」
「今から寝れば何とかなるんじゃない?
心配なら起こしにいこうか?」
「……大変不本意だがよろしくお願いします」
「はいはい。
じゃ、せいぜい安眠してねー」
「アスカは寝ないのか?」
「私はもう少し情報屋や、NPCに話しかけて、スピーディに、かつ安全な道を検討するつもりだから……
20時ころに寝ようかしら」
「…………ノーコメント……………」
恐らく読者の皆なんかは―――続く――― 見たいな感じで楽できるんだろうなーいいなー(涙)
―――――――to be continued!――――――――――
前回とは違ってギンジと飛鳥がペラペラしゃべってるだけでしたねー
次回はアノ人がほんのちょっとだけ出演予定!
※当然ながら次回も内容薄いです。