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アンリミテッド・イメージング・ワールド 仮想冒険記  作者: くりぃむパン
チュートリアル
2/8

TASP002


はい、どうも、残念ながら今回でもまだゲームには入りません。

 あ、入るのは次回ですから皆さん逃げないでェーーー!!!



「んで、そろそろ話を聞かせてくれい」


 東京都心にそびえ立つ大豪邸で、至福の食事を存分に堪能し、原始的欲求を満たした俺は、早速本日こいつの家に呼び出された理由を問うことにした。


「うん、理由はね、君らVRMMOって知ってる?」

「ごちそーさん」

「じゃあ帰ろっか」


 まためんどくさそうな単語が出てきた瞬間帰宅を決意すると、信司がいきなり立ち上がり、引き止めた。


「おいおいおい!ナニ帰ろうとしてんだそして野沢ッ!なんで帰りの支度手伝ってんの!?」


 後ろのほうを見やると、野沢さんがシャッターから俺のバイク(ありがたいことに食事中に給油してくれた)を出して、スタンバイしていた。どこかイタズラっ気に眼が光っているような気がした。


「お前から奇妙な英単語出るときは決まっていいことねーんだよ

 ほら、なんだっけ?メタリングレーザとかいった奴のときは俺のケータイ見事ぶっ壊してくれたじゃねーか」


「メンタルサーチングレーザー!何新機械開発してくれてんの?メタリングって鉄をレーザーとして打ち出すってことか?怖ええな!つーかそれもう機械じゃなくて兵器だろがッ!!!」


 猛烈な勢いでまくし立てた後、少し平静を取り戻した口調でもう一度口を開いた。


「あれは前に妙な精神影響型ウイルスが蔓延したときに、お前の精神に異常が無いか調べただけだろ。

 それにケータイに至っては替えの機種の優先権をあげたろが、それと割引券も」


「ご高説は伺ったが、で何の実験台に使う気か教えてくれるかな」


「だからそんなんじゃない!なんでそんな疑うんだ……」


「「そりゃ日々の行いということで」」


「……息ぴったりかよ」


「まぁいいから教えろよ、もう三回言ったぞ」


「じゃあこっちも二度聞くが、VRMMOを知って……いや、興味あるか?」


 眼を向けて野沢さんに聞くと意外な返答が帰ってきた。


「このごろ信司様がやっておられるVRMMO(仮想大規模オンライン)のRPGゲームです」


「VRMMO……RPG……」


 信司からも出てきた単語を、口の中で反芻する。どこか不思議なフレーズだったが、英語は苦手……どころではなく、もはや全教科中で天敵という言葉が相応しい教科だった。


「……何の略称なんだろうな?」


「「さぁ?」」


「残念ながら、私も存じておりません」


 ナゼか、俺の周りには英語が苦手な奴が多いのだ、幼馴染二人は純粋にバカ。

 野沢さんは昔よく知っていたらしいのだが、昔運転手を務めていたときに、交通事故で記憶喪失で、一部の記憶を喪失してしまい、その後どの職にも就けないでいた所を、信司の父親、二ノ宮 政碁朗(にのみや せいごろう)に雇われ、今に至っている……話が逸れたが、彼が英語を知らないのはそのためである。


「まーいっか、んで、それが何?」


「いや、このゲーム、やってみないか?」


「「さようなら」」


「……何で?何で何かにつけて帰ろうとしたがるの?」


「だってゲームだろ?つーことは当然金もかかるわけだろ?」


「ソフト代とか、ハード代とかバカになんないでしょう?」


「ふっふっふっふ、それは心配ないんだなーと」


「信司様のご友人方が、このゲームをハードごと売るとおっしゃったので、信司様が、それをひきとったのです」


「それが何個?」


「偶然二個」


 ふざけんなよ、何かの因果演算が悪戯してるとしか思えん。


「そう嫌そうな顔をするな、やってみると結構面白いぞ」


「嘘はつくなよ」


 俺がそう言うと、信司は肩をすくめ、片目を閉じて言った。


「この前にお前等に嘘ついて受けた痛みはまだ忘れんよ」


 そう、ちょっと前にこいつが、サプライズで世界が滅ぶという大規模なハッタリをかまし、ネタバラシで高らかに笑ったとき、椎名が空中回し蹴りを食らわせ、病院送りにしたことは、まだ記憶に新しい。


「あれは規模と事例が特殊だったからなぁ」


「だからって顔面回し蹴りは無いだろう、マジに死ぬかと思ったぞ」


「もういい、昔話をするとそれこそキリが無い」


「どんなゲームなの?」


「よくあるRPGだ、いろんな洞窟や迷宮なんかのダンジョンを探索して、最終的には強大な力を持つ魔王を倒すという王道RPGだな。

 基本的に今は魔王のとこにはいけないが、どんどんUD(アップデート)が進行して、マップ、敵キャラ、町、果てには武器まで増えていくタイプのゲームだ」


「そうは言ってもなぁ……」


「ゲーム自体やったことないし……」


「それなら俺がレクチャーするさ」


「「気に食わん」」


「なんなの?お前等として俺はなんなの?」


「「金ズル」」


 完全に意気消沈し、崩れ落ちる信司、ナゼか野沢さんまでもがサムズアップをしている。

 取り敢えず笑顔で返しておいた。


「なんと言いますか、息ぴったりですね」


「どうも」


「どーもどーも」


「……格闘技とか剣術も存在するゲームなんだがな……」


 ボソッと呟いたその一言に椎名は誰よりも早く反応した。


「ぜひ教えてくれる?」


「ふっ、よろこんで」(キラーン)


(釣りやがった………!)


 そう、格闘、剣技といった言葉で、この暴力装置は簡単に操作する事ができるのだ。

 完全に復活した信司が、渾身のどや顔を見せ付けてくる。正直このときは殺意が湧いた。


 ハラワタ煮えくり返るほどの怒り(しかし敗北感が大半を占める)を感じつつ、半眼で信司を睨みつけたが、すぐに諦めた。

 あの暴力装置が手元にある以上、逆らっても返り討ちにあうだけだ。戦闘訓練は多少しているが、奴には全く勝てる気がしない。

 中学のころ、路地裏で高校生4人に絡まれたときに、全員を返り討ちにした伝説は、容易に思い出す事ができる。信司一人なら負ける気はしないのだが。


「じゃあ、俺も教えてもらおうかぁ……」(殺)


「お、おう、どんとこい……」


 眼で信司に重圧を与え続ける。


「では、早速行き先の位置情報を、銀二様のバイクにお送りします」


「銀二でいいって言ってるのになぁ……」


「半分私の趣味です、ご理解ください」


(((いい趣味してるわぁ………)))


 総員、野沢さんに甚だ失礼な感想を抱きながら、ガレージへ向かった。



 今回書いてて感じたことがあります……

 椎名ちゃんコエエ(汗)


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