終章 そのものの在り方
「『成したことも、為そうとしてることも誇っちゃいけないんだ。それは何処までいっても自己満足でしかなくて、それを認めてしまったら、自分の思い通りになる事しか──許せなくなるから』
『成したことで幸せが得られたなら、為そうとしてることの先に笑顔があるなら、自分だけの嬉しさ(自己満足)なんてケチなこと言ってないで皆で分かち合えばいいの。誇ればいいのよ。何よりも──皆の幸福を』
『自己満足なんてのは結局の所言い訳だ。他人の感謝を、怨みを受け入れられない、受け入れようとしない──心の弱い奴の、な』
『あなたが救われたのも、あなたが絶望したのも全部私の自己満足でした? ──ハッ、思い上がりも甚だしい。何様のつもりだ? この、──神気取りの愚か者が!』
『人を傷つけておいて自己満足なんて言葉で片付けるのか? 自分の満足が得られたのなら、他はどうでもいいと? ──傲慢だな』
『自らの行いを自己満足としか思えないなんて──悲しい人ですね』
『自己満足で一を切り捨て九を助ける、強い決断だ。けどね、切り捨てられた一の中に大切な人がいたら、助けられた九の中の人は何人が心に傷を作るんだろうね。──君はどう思う?』
『自己満足で何が悪い! どうしても、何よりも、狂おしい程に欲しいものを手に入れた! 例え本当に欲した形と違っても──俺は嬉しかったんだよ!!』
」
「さて、どれが気に入った? もしくは共感と言ってもいいな。どれもこれも自己満足っていう言葉が入ってるが、特に意味はねぇよ。こういった共通点があった方が、分かり易いかと思っただけだからな。むしろ分かりづらくなったかもな。あぁ、どれが正解かなんて野暮なことは考えるなよ? そんなもんは求めてないからな。──ただ、どれが心に響いたか。どれが納得できたか。どれが自分に近いか。それが聞きたいだけだ。一つでもいいし、二つでもいい。何なら全部ってのもありだ。けど、他のものを作るのはやめてくれよ? 面倒だからな。別に細かい心情を理解したい訳じゃあないんでね」
「──、──────」
「あ? 今やってることに関係あるのかって? あーないない、関係なんて『俺』っていう共通項くらいなもんだ。ならなんでって顔だな。そうだな強いて言えば──自己満足だ」
「────、────!!」
「ははッ、そう怒るなよ。別におちょくってる訳じゃないんだ。今は気分がいいから、『シリタイ』んだよ、色々とな。それに、そろそろそれも解けるだろ? 時間潰しと言うか、時間稼ぎ程度には役に立ったんじゃねぇか? まあ、質問の答えはしなくてもいいし、してもいい。どうぞご自由に。質問に答えたからって何が変わるわけでもないしな。」
「─────」
「説得しようが、脅そうが意味はない。意義も意図も意志もなく、ただただ『 』のままに行動してるのが今の俺だ。満たしてくれるか? 失望させるか? 渇かしてくれるのか? さて、どうなんだろうな。御託はここまで、後は行動で語ってくれ。自分勝手で悪いが許容してくれると嬉しいね。どういう結果になるか、期待してるぜ」
────なぁ、勇者様方?