戦いの後の温もり
ゴブリンとの戦いが終わり、私はスノーを頭に乗せて雪の絨毯をぽてぽて歩いてた。あんよがまだガクガクしてて、MPゼロの頭がふわふわしてる。スノーの羽も少し疲れたみたいに静かだ。
「ゼロ、最初の洞窟に戻ろうぜ。奥にいいもの見つけてたんだ」
スノーの声に小さく頷いて、来た道を戻る。吹雪は落ち着いてて、雪のキラキラが目に優しい。洞窟の入り口が見えると、懐かしさがちょっと湧いてきた。
氷柱の下をくぐって中に入り、スノーが「こっちだ」と羽で奥を指す。 歩くと、ほのかに暖かい風が鼻をくすぐった。洞窟の奥に小さな温泉が広がってる。湯気がゆらゆらしてて、周りの岩が淡く光る植物に照らされて綺麗だ。
「スノー、温泉だ!」
「だろ? 戦った後には最高だぜ。さ、入ろう」
スノーが頭から飛び降りて、温泉の端にちょこんと座る。私はあんよをそっと浸すと、温かさがじんわり広がって「ふぁ……」って声が漏れた。体を伏せて、マズルまで浸かると、ゴブリン戦の疲れが溶けていくみたい。
「気持ちいいね、スノー」
「おう。俺のMP200あったのが、80減ったからな。ブリザードクロウ使いすぎたかもしんねぇ」
二人で笑って、しばらく温泉に浸かってた。お腹が落ち着くと、スノーがふと思い出したみたいに言った。
「なぁ、ゼロ。ゴブリン倒したんだから、経験値が貯まったはずだ。ステータス見てみ?」
『ステータス』を唱えると、頭に数字が浮かぶ。
経験値: 10/10
次に光がチカッと点いて、レベル2になった!
「スノー、レベル2だよ!」
「おぉ、やったな! ステータス、どう変わったか確認してみ」
もう一度『ステータス』を唱えると、新しい数字が浮かんだ。
名前: ゼロ
種族: ホワイトファング
年齢: 0歳
職業: なし
レベル: 2
経験値: 0/20
HP: 120
MP: 120
攻撃力: 45
防御力: 45
魔法攻撃力: 65
魔法防御力: 65
「HPとMPが120になって、攻撃力とかもちょっと上がったよ!」
「いい感じだな、ゼロ。レベル2でもう少し強くなったぜ。これなら次もやれる」
スノーが羽をパタパタさせて喜んでくれる。私はしっぽをゆらゆら揺らして、スノーに顔を寄せた。温泉の湯気が二人を包んで、なんだか心まで温かくなった。
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