鼻ぽちの授業
名前: ゼロ
種族: ホワイトファング
年齢: 0歳
職業: なし
レベル: 1 経験値: 0/10
HP: 100 MP: 100
攻撃力: 40 防御力: 40
魔法攻撃力: 60 魔法防御力: 60
習得済み魔法: - アイススピア(消費MP: 50)
冷気を凝縮して氷の槍を作り、敵に発射。命中すると凍結状態にし、動きを鈍くする。
- アイスシールド(消費MP: 40) 周囲に氷のバリアを展開。一定時間、物理攻撃を軽減し、壊れると冷気ダメージを与える。
習得済みスキル: - 野生の勘(消費HP: 2) 獣人特有の鋭い感覚で、危険や食料を素早く察知。
- 獣の本能(消費HP: 5) 自然環境で生き抜くための行動を直感的に行う。
- 獣の呼び声(消費HP: 3) 特定の動物を呼び寄せたり、仲間と連携を取る。
思わず見入ってしまうステータスの数々。先ほどの不安はどこかへ飛び、鼻息が「んふー、んふー」と興奮で荒くなってる。
「ゼロのステータス、中々に良い魔法とスキルが揃ってるな」
「ん? スノー、私のステータス見えてるの?」
「はは、神の使いだけのスキルでな。普通は相手のステータスなんて見えないぜ」
なるほどと小さく頷くと、しっぽが勝手に動き出した。ミニ扇風機みたいに、ぴゅんぴゅんしてる。
「ねえ、スノー。前の世界で見た魔法っぽいものは何となく分かるけど、このスキルって何? MPじゃなくてHPが減る能力なの? それと、この経験値って何?」
早く使ってみたいけど、気になることは先に聞いておかないと、私、やらかしそう。
スノーは私の頭から雪の絨毯に降り立つと、それをホワイトボードみたいに使って説明を始めた。
「ゼロの前の世界は、魔法はないけど、化学とか数式でエネルギーを作ってたよな?」
「うん、そうだね」
「この世界じゃ、それが魔法だ。呪文や術式で発動する力で、MPって魔力を消費する。才能がないと使えないし、MPがなくなるとおしまいだ。魔導師とか魔術師って職業は、その力を極めた連中だよ。その話はまた必要になったらするとして、魔法、分かったか?」
スノーの説明は絵付きで分かりやすい。おまけに描いてくれる車がちっちゃくて可愛い。小さい体を一生懸命動かして説明してくれる姿に、何度も頷いちゃう。
「うん、魔法は特別な力って感じだね」
「おう。で、スキルは違う。訓練や経験で身につく技術だ。剣を振るとか、木を登るとか、敵の気配を感じるとか、生活や戦いで役立つものだよ。HPを少し使うけど、頑張れば誰でも覚えられる。魔法みたいに特別な才能はいらないんだ」
「なるほど! 魔法は才能、スキルは努力ってこと?」
「おうよ! その調子で覚えろ! んで、経験値はな、戦ったり何か達成すると貯まって、10まで行けばレベルが上がるぜ。上がるたびに次の目標がちょっと増えるけど、最初は簡単だ」
スノーが小さな手で頭の上に丸を作った。可愛い。私は伏せになって、マズルをスノーのお腹に近づけ、優しく鼻ぽちタッチ。あっという間に丸が崩れ、スノーがお腹を守って転がる。
「お、わっ!」
「スノー、教えてくれてありがとう」
「くっ、このいたずらっ子!」
転がったスノーが起き上がり、私の顔にぴたっと張り付いて仕返し。ふわっとした感触にドタバタしてたら、お腹がグーっと鳴った。動きがピタッと止まる。
「スノー……ご飯探したい」
「だな」
書き直して、投稿しています。お気入りや評価して頂くと活力になります。