子犬から僕へ
温泉の温もりに癒されて、私はスノーと一緒に立ち上がった。あんよが少しふわふわしてて、スノーが頭に戻ってくる。湯気が鼻をくすぐる中、ふと頭に何かが浮かんだ。
『――あ、私、前世でボーイズラブ好きだった……!』
その瞬間、顔がカァッと熱くなって、心臓がドキドキ。腐女子だった記憶が鮮明に蘇り、スノーの頼もしさやミニコウモリらしい可愛さに、BL妄想が頭をよぎっちゃった。気恥ずかしさが溢れて、体がヘニャヘニャに。あんよが崩れて、へたり込んじゃう。
「おい、ゼロ! どうしたんだよ、大丈夫か!?」
スノーが慌てて羽をパタパタさせて、私の目の前で止まる。私は顔を隠して、首を振った。
「言えない……言えないよ、スノー……」
「何!? 何だよ、言えって! 何かやばいことでも思い出したのか?」
「言えない……絶対言えない……」
身悶えしながら、頭の中でBLシチュがぐるぐる。スノーが心配そうに近づいてくる姿が、また妄想を加速させちゃう。ダメだ、これ以上は恥ずかしくて無理!
「ま、まぁいいけどさ……とりあえず立てよ、ゼロ」
スノーの声に何とか立ち上がり、気を取り直す為に大きく水気を無くすために身体をぶるぶるさせた。言えないけど、この気持ちを隠して、スノーと一緒にレベル上げを頑張ろう。
――1ヶ月後――
雪の絨毯を踏む私の姿は、子犬から中型犬くらいに成長してた。毛並みが少し長くなって、声も落ち着いた感じ。スノーと一緒に狩りを重ねて、雪トカゲや雪狼を倒してきた。鼻をくんくんすると、もう慣れた雪の匂いが安心する。
「スノー……レベルかなり上がったかな?」
僕が少し低めの声で聞くと、スノーが頭の上で羽をパタパタさせた。
「おぉ、ほんと成長したな、ゼロ! 声まで変わってきてるぜ。ステータス見てみ?」
『ステータス』を唱えると、頭に数字が浮かんだ。
名前: ゼロ
種族: ホワイトファング
年齢: 1歳
職業: なし
レベル: 5 経験値: 0/100
HP: 150
MP: 150
攻撃力: 60
防御力: 60
魔法攻撃力: 80
魔法防御力: 80
習得済み魔法: : - アイススピア(消費MP: 50)
冷気を凝縮して氷の槍を作り、敵に発射。命中すると凍結状態にし、動きを鈍くする。
- アイスシールド(消費MP: 40)
周囲に氷のバリアを展開。一定時間、物理攻撃を軽減し、壊れると冷気ダメージを与える。
習得済みスキル: - 野生の勘(消費HP: 2)獣人特有の鋭い感覚で、危険や食料を素早く察知。
- 獣の本能(消費HP: 5)自然環境で生き抜くための行動を直感的に行う。
- 獣の呼び声(消費HP: 3)特定の動物を呼び寄せたり、仲間と連携を取る。
- フロストバイト(消費HP: 10)鋭い牙で敵を噛み、冷気でダメージを増幅。
- スノウステップ(消費HP: 10)
雪上での動きを強化し、回避率を上げ、次の攻撃の命中率を微増。
- クロウオブフロスト(消費HP: 12)
冷気を纏った爪で敵を切り裂き、冷気ダメージを追加。命中すると敵の動きを一時鈍くする。
「レベル5だよ、スノー。僕、強くなったんだ」
「すげぇな! 子犬だったゼロがこんな立派になるとはな」
スノーが笑う。僕はしっぽをゆらっと振って、スノーに顔を寄せた。BL好きの記憶はまだ恥ずかしいけど、この世界で成長していくのは悪くないね。
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